コガモ

川と池と水辺

いつ日本にいるか: 冬に来る(冬鳥)

身近な水辺で会うカモの中では、いちばん小さい種です。雄は栗色の頭に緑の帯が入り、その帯を細い黄白色の線がなぞるので、光さえあれば遠くからでも拾えます。

まずここを見る

群れの中に一羽だけ小さいカモがいたら、この種を疑います。同じ池のカモと並ぶと一回り以上小さく、端にいても輪郭で分かります。水面に浮かぶ位置も低く、胴が沈んで見えます。雄は栗色の頭の、過眼線の位置から後頭へ緑の帯が抜け、その境目を細い黄白色の線がなぞります。緑は光沢なので、逆光では頭全体が暗く見え、栗色との境が消えます。雌は褐色一色に近く、小ささのほかに手がかりが乏しい相手です。

大きさとかたち

全長38cm前後で、マガモの59cm前後と並べると三分の二に届きません。どちらも嘴の先から尾の先までを測った値なので、図鑑の数字どうしをそのまま比べられます。首が短く頭が丸く、胴が水面に低く詰まった形に見えます。飛ぶと翼が細く、羽ばたきが速いため、群れが小さくまとまって旋回します。緑の翼鏡には、外側に白い縁が入ります。

いつ・どこで会えるか

渡ってくるのが早く、抜けるのが遅いカモです。9月のうちに最初の群れが入り、多くのカモが去った4月から5月初めまで残る個体がいます。全国鳥類越冬分布調査(2016-2022)でも越冬期の記録は全国に広がり、大きな湖から幅の狭い水路まで水面の規模を選びません。田んぼと用水路の刈り跡や川の瀬と中州の浅い縁で、嘴を水につけたまま首を振る姿をよく見ます。

こえ

雄が出す「ピリッ ピリッ」という澄んで高い、笛のような声が、この種の目印になります。カモの声としては珍しく濁りがなく、鈴を弾いたような響きで、群れが浮かんでいる間じゅう散発的に続きます。雌は「グェッ」と短く濁る声で、カルガモをはじめ他のカモの雌と分けにくい声です。高い笛の音が届いたら、小さいカモが混じっている合図として使えます。

そっくりな鳥との違い

小ささだけで決めると、カルガモの雌や若い個体と取り違えます。カルガモは全長61cm前後あって、並べば別種と分かりますが、単独でいると比べる相手がありません。そのときは嘴を見て、先端に黄色がなければこの種と分けます。ヨシガモの雄も頭に緑の光沢を持ちますが、光沢が頭全体を覆い、三列風切が長く垂れるので、帯の形とは見え方が違います。雌だけの群れでは決めきれないことがあり、その場合は種を保留にします。