カイツブリ

川と池と水辺

いつ日本にいるか: 一年中いる(留鳥)

潜って、思わぬ場所に浮かび直す小さな水鳥です。カモとは別の仲間で、体が丸く尾がほとんど見えないため、水に浮かぶ茶色の毬のような輪郭になります。

まずここを見る

見ているうちに水面から消え、潜った地点から離れた場所に浮かび直します。前へ滑るように沈み、十数秒から二十数秒して現れるため、追っていた個体を見失ったら、視野を広げて水面全体を探す動きになります。体は小さく丸く、尾が見えません。夏羽と冬羽で顔つきが入れ替わり、夏は頬から首の側面が赤褐色になって、嘴の付け根の黄色い小さな斑が目立ちます。

大きさとかたち

全長26cm前後で、キジバトの33cm前後より小さく、水鳥としてはかなり小型です。首は短く見えますが伸ばすと意外に長く、警戒すると首を立てて細長い姿に変わります。嘴は短く尖り、足は体のいちばん後ろに付きます。水かきが指ごとに分かれた弁足で、これは潜水に向く一方、陸上ではほとんど歩けない作りです。翼は小さく、飛ぶ姿を見る機会は多くありません。

いつ・どこで会えるか

季節による移動はわずかで、繁殖期は水草の多い池、冬は開けた水面へと移り変わります。公園の池とお堀のように岸辺の植物が残る池で繁殖し、水草に浮巣を作るという一般論までが、この本で書ける範囲です。冬は川の瀬と中州の淀みや河口近くまで下り、キンクロハジロの群れに混じって浮かぶこともあります。春から夏には、親の背にヒナを乗せて泳ぐ姿が見られます。

こえ

「キリリリリ…」と高く長く震わせる声が、この鳥の名を覚えさせます。繁殖期の水面から響き、数秒続いて尻すぼみに終わるのが並べ方です。姿は小さく草陰に隠れがちなので、池の奥から震え声が届いたら、この鳥がいると判断できます。つがいで交互に鳴き交わすこともあり、そのときは二つの声が重なって長く続きます。オオバンの短く高い一声とは、伸びの長さがまるで違います。

そっくりな鳥との違い

同じ仲間で迷うのは、大きさの違う二種です。ハジロカイツブリは全長31cm前後とやや大きく、冬羽では白と黒の対比が強く、赤い目が目立ち、嘴がわずかに反り上がります。カンムリカイツブリは全長56cm前後あって首が長く白く、頭に冠羽が立ちます。この種は丸くて茶色く、首が短く見える点でどちらとも分かれます。大きさを比べる相手がいないうちは決めないほうが確かです。