カワセミ
川と池と水辺
いつ日本にいるか: 一年中いる(留鳥)
水面に張り出した枝で、背の水色を探します。飛んでいる姿は青い線にしか見えないので、止まっているところを見つけるほうが確かめやすい鳥です。
まずここを見る
背中の水色を、上から見下ろす角度で確かめます。背から腰にかけての青は色素ではなく、羽の細かい構造が光を返す構造色です。そのため曇りや逆光では黒っぽい影にしか見えず、日の当たる向きへ回り込むと急に色が出ます。腹側は橙色で、胸から下腹まで途切れずに続きます。もう一つの決め手は嘴で、雄は上下とも黒く、雌は下嘴が赤いという差が、止まっている個体なら双眼鏡で読み取れます。
大きさとかたち
全長17cm前後で、これは嘴の先から尾の先までを一直線に伸ばして測った値です。スズメの14cm前後をわずかに上回る程度ですが、体の三分の一近くを嘴が占めるため、実物は数字より大きく見えます。翼は短く丸く、尾はほとんど飛び出しません。頭が大きく尾が短い、前後に詰まった輪郭が水辺の小鳥の中で目を引きます。止まるときは枝に対して立った姿勢をとり、体を上下に小さく振るしぐさを混ぜます。
いつ・どこで会えるか
一年を通して同じ水域にいて、冬でも南へ抜けない個体が多くいます。会えるのは公園の池とお堀や川の瀬と中州のように、水面へ枝や杭が張り出した場所で、水面から1〜3mという低い高さに止まって水中をのぞきます。狙いが定まると垂直に近い角度で飛び込み、くわえたまま元の枝へ戻ります。子育ての時期は土の崖に横穴を掘りますが、そこから先は巣に近寄るの話になります。
こえ
飛びながら出す「チー」と細く鋭い一声が、この鳥の居場所を知らせます。一瞬で終わる短い声を、水面に沿って移動している最中に続けて出すため、声が右から左へ流れていきます。声は高く金属質で、流れの音が続く場所でも紛れずに通ります。同じ水辺にいるセグロセキレイの濁った声とは質が違います。長い節のさえずりは持たず、カワセミのチーがそのまま合図の役をします。
そっくりな鳥との違い
大きさが最初のふるいになります。ヤマセミは全長38cm前後とこの鳥の倍以上あり、白と黒のまだら模様に冠羽が逆立つので、青い部分が見当たりません。アカショウビンは全身が赤褐色で、嘴も足も赤い別の姿をしており、夏鳥として山地の渓流沿いに入るため、街なかの池では出会いません。迷うとしたら、遠い水面を横切る青い線が何かという段階で、止まるまで待って腹の橙色を確かめると決まります。