天王星
惑星の見え方
衝のころで5.6等、肉眼のぎりぎりの明るさです。国立天文台「ほしぞら情報」の解説による値で、空が暗ければ届きますが、同じ明るさの星が周りにいくつもあり、星図と見比べないと特定できません。
いつ、どちらの空に出るか
外惑星なので、惑星の衝のころは日の入りに東から昇って一晩中出ています。太陽から遠く、一年のうち十か月ほどは夜のどこかに顔を出します。ただし公転周期が約84年と長いため、背景の星座を移るのに数年かかり、去年見つけた位置は今年もほぼ同じです。見えるかどうかを決めるのは時期より夜空の明るさで、合をはさむ時期と月明かりの強い夜は外します。
肉眼でどこまで見えるか
5.6等は、肉眼の限界等級のすぐ内側です。街明かりの届かない場所で暗順応をとり、月の無い夜にそらし目を使えば、見えていること自体は分かります。ただし同じ明るさの星が視野に何個も並んでおり、どれが天王星かは決まりません。星図で位置を確かめてからでないと、見たことになりません。視力の良し悪しより、空の暗さのほうが先に効きます。市街地の空では届きません。
双眼鏡で何が増えるか
探す手間が一段減ります。双眼鏡なら市街地寄りの空でも視野に入り、星図帳の星の並びと見比べて絞り込めます。それでも見えるのは点で、円盤にも青緑の色にも見えません。低い倍率のまま、周りの星の並びごと形で覚えるのが早道です。手持ちの揺れで見失いやすいので、固定できるところに肘を預けます。同じ視野を毎回同じ向きで見ると比べやすく、数日おけば動いた点が残ります。
ほかの星との見分けかた
周りの恒星と分ける手は、位置の変化だけです。一か月ほどおいて同じ星の並びを見比べると、天王星だけが背景に対してずれています。海王星との違いは明るさで、5.6等と約8等の差は十倍近い光の量にあたり、双眼鏡での見つけやすさがまるで違います。またたきの有無は、この暗さでは手がかりになりません。視野の星を三つ四つ描き写しておくと、次の夜に照合できます。
よくある勘違い
探査機や写真の印象から、青緑の丸を期待して探すことになりがちです。目に届くのはほかの星と見分けのつかない点で、色も形も分かりません。「肉眼で見える惑星は五つ」と数えられてきたのも、天王星が暗すぎるからではなく、位置を知らずには特定できないからです。空の条件がそろえば、明るさとしては肉眼の限界等級の内側に入ります。海王星との差はここで、あちらは条件を整えても肉眼には届きません。