惑星の衝
惑星の見え方
衝は、外惑星が太陽とちょうど反対側に来る瞬間です。このころ地球にもっとも近づいて明るくなり、真夜中ごろに南中してほぼ一晩中見えます(国立天文台 暦計算室)。
いつ、どちらの空に出るか
衝の夜は日の入りのころに東から昇り、真夜中ごろ南中して、明け方に西へ沈みます。太陽と反対側にいるので、一晩を通して空のどこかに出ている時期です。曇れば見えず、南の空が建物や山でふさがっていれば見える時間が削られます。次の衝までの間隔は会合周期で、暦計算室「暦Wiki 惑星/会合」は火星779.9日、木星398.9日、土星378.1日としています。木星と土星はほぼ毎年、火星は二年あまりに一度です。
肉眼でどこまで見えるか
変わるのは大きさではなく明るさです。一回りのうちでいちばん明るくなるのが衝のころで、火星は大接近の衝でマイナス2.8等、視直径24秒角超に達したと国立天文台は記していますが、それでも月の視直径の約77分の1にすぎません。肉眼で読み取れるのは色のついた強い点までで、輪郭は取れません。低空の光害や薄い雲があれば、南中のころでも取り逃がします。
双眼鏡で何が増えるか
増えるのは色の濃さと、そばに並ぶものの数です。視直径は秒角どまりなので、双眼鏡の倍率では円盤には広がりません。木星が衝のころはガリレオ衛星が一晩中高い位置にあり、四つの並びが夜ごとに入れ替わるのを追えます。双眼鏡は手持ちだと像が泳ぐため、肘を手すりに置くか三脚に載せると、見える点がひとつ増えることがあります。
ほかの星との見分けかた
衝を迎えるのは外惑星だけです。水星と金星は地球より内側を回り、太陽から離れる角度に上限があるため、暦計算室「暦Wiki 惑星/最大離角」は水星の東方最大離角が18度から27度ほどの幅で変わるとしています。真夜中に南の高いところで光っているなら、この二つではありません。恒星との差は動きで、留から衝をはさんで留までは逆行し、数週間で背景の星に対して位置がずれます。
よくある勘違い
合のころは、同じ惑星がまったく見えません。暦計算室「暦Wiki 惑星/合と衝」は、合の前後は太陽の光がまぶしくて惑星は見えなくなるとしています。もうひとつは大きさで、衝を迎えても肉眼で大きくはなりません。肉眼の分解能は視力1.0で1分角=60秒角が水準ですから、24秒角の円盤は点のままです。この行き違いは大接近なら火星は大きく見えるで扱います。