水星
惑星の見え方
太陽のそばを離れないため、薄明の空でしか見つかりません。国立天文台「ほしぞら情報」の最大離角の解説にあるとおり、日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空だけが舞台です。
いつ、どちらの空に出るか
舞台は日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空に限られます。国立天文台「ほしぞら情報」は、太陽から東へ最も離れる東方最大離角のころは夕方の西の空、西へ最も離れる西方最大離角のころは明け方の東の空で見つけやすいとしています。暦計算室「暦Wiki 惑星/会合」の会合周期115.9日から、この観望期は一年に三度ほどめぐります。低空が山や建物でふさがれていれば、薄明の短い時間ごと失われます。
肉眼でどこまで見えるか
薄明の残る空に、白っぽい一点として浮かびます。太陽との角度が小さいぶん高度が上がらず、空が暗くなりきる前に沈むか、まだ明るいうちに昇るという出方になります。肉眼で読み取れるのはその明るさまでで、形は分かりません。等級は観望期の中でも動き、太陽から離れるほど欠けが進んで暗くなります。地平線に近いほど大気減光が重なり、街明かりの方角では見つからないまま終わります。
双眼鏡で何が増えるか
効くのは薄明の背景から先に拾い上げることです。肉眼では空の明るさに紛れる光でも、双眼鏡が集めた光なら位置を特定でき、そこから肉眼に戻せます。向ける前に、太陽が地平線の下へ入ったことを確かめます。明け方は逆に、空が白む前で切り上げます。見えるものは点のままで、欠けた形までは分かりません。手すりに肘を預けて視野を止めると、低い空の揺れが収まります。
ほかの星との見分けかた
同じ低空で光るものと見分けます。恒星は大気の影響でちらちらとまたたきますが、水星の光は落ち着いた点のままです。日ごとに位置が変わるのも惑星の側で、一週間も見ていれば背景の星との関係がずれます。薄明の中に点が二つあるときは、上にあって明るいほうが金星、地平線寄りで弱いほうが水星という並びになります。高度がどこまでも上がらないことが、いちばん確かな手がかりです。
よくある勘違い
低空で明るい恒星を、水星と取り違えることがあります。冬の明け方の東や夏の夕方の西には一等星が低く出るため、位置を星図と照らさないまま惑星と決めてしまいがちです。航空機の灯りも似ますが、数分で動き、色が変わるので切り分けられます。「宵の明星」と呼ばれるのは金星のほうです。真夜中の南の空を探しても、水星はそこにいません。