くじら座

秋の星座

見え方: 空が暗ければ肉眼で

全天4位の広さがありながら、目に残る星はごくわずかです。頭の五角形と胴の細い列に分けてたどる星座で、胴のそばには周期の長い変光星ミラがあります。

形のたどりかた

一筆で追わず、頭と胴を別々に組み立てます。東側の頭はα星メンカルを含む3等から4等の五角形で、おうし座の足元の南に浮かびます。五角形は差し渡し10度ほどと大きく、双眼鏡の視野2つぶんに相当します。西側の胴はそこから南西へ20度以上も離れた細長い星の列で、端に2.0等のデネブ・カイトスがあります。間はほとんど空白なので、一続きの形として見ようとすると迷います。頭から胴へは、視線を大きく振ることになります。

目じるしになる星

2等星と呼べるのは尾のβ星デネブ・カイトスだけで、理科年表では2.0等です。頭のα星メンカルは2.5等、残りは3等以下で、広さのわりに手がかりの少ない星座になっています。位置の見当はみずがめ座の南東、うお座の南ですが、この一帯は暗い星座が続き、どこからどこまでが一つの星座か分からなくなります。明るい二つを先に押さえ、間を後から埋める順にします。デネブ・カイトスは南の低い空で、ひとつだけ明るく残ります。

見ごろの時期と南中高度

宵の南中は12月中旬で、そのころ20時に南の空へ来ます(国立天文台の位置の目安)。北緯35度で見ると、デネブ・カイトスの南中高度は約37度、メンカルは59度と、同じ星座の中に20度以上の高低差があります。低い星ほど大気減光が効き、0.2等ほど暗く見えます。南の空が開けていない場所では胴の側が丸ごと欠けます。12月の宵が最も高く、前後1か月で高さが目に見えて変わります。10月の宵は東の低空、2月には西です。

どこまで見えるか(緯度と空の明るさ)

胴の列を追えるかどうかで、その空の暗さが分かります。2.0等と2.5等の二星は市街地でも残りますが、間をつなぐ3等から4等の列は光害のもとで途切れ、形になりません。赤緯は0度から南へ20度あたりなので、北緯35度からは南が開けていれば全体が見えますが、北緯50度を超えると胴の南端が地平線に届きません。月明かりのある夜も、淡い星から先に消えます。頭の五角形が五つそろうかも、同じ目安に使えます。

この中にある見どころ

主役は変光星のミラです。およそ332日の周期で明るさが変わり、極大では2等から3等台まで上がって胴の途中に星が一つ増えたように見え、極小では9等から10等まで落ちて肉眼から消えます。極大の明るさは回ごとにばらつき、当たり年と外れ年があります。周期が1年に近いため極大が昼の空で起きる年は見られません。前回の極大からの日数で見当をつけ、肉眼で追えるのは極大の前後2か月ほどに限られます。