レンズ雲

雲の種と変種

高さ: 決まった高さを持たない

凸レンズやアーモンドの形をして、輪郭がはっきりします。巻積雲・高積雲・層積雲に付く種で、山の風下側にできることの多い雲です。

どう見えるか

縁が薄く中央が厚い、輪郭のはっきりした凸レンズの形です。WMO 国際雲図帳はレンズやアーモンドの形をし、しばしば非常に細長く、たいてい輪郭が明瞭な雲。ときに虹色を示すと定義しています。この虹色は彩雲と同じしくみで、縁の水滴の大きさがよくそろったときに出ます。何枚も重なると皿を積んだ形になります。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

高さは付く相手で決まり、国際雲図帳は巻積雲、高積雲、層積雲の三つを挙げています。できる場所は山の風下側が代表で、気象庁『気象観測の手引き』も地形による上昇の例として晴れた風の強い日に、山の風下側にできるレンズ雲や波状雲を挙げています。山脈と平行に、数kmおきの帯として並ぶこともあります。

なぜその形になるか

山を越えた気流が、風下で波を打つためです。国際雲図帳は安定した大気の中で、山のような障壁に直角の強い風が吹くと、気流は風上側で持ち上げられて風下斜面を下り、下流へ進みながら波の列を作ると説明します。波は止まったまま空気だけが通り抜け、波の山で凝結して雲になり、谷で蒸発して消えるので、形だけがその場に残ります。波状雲も同じ波から生まれます。

似た雲との分け方

雲が動かないのに、中の空気は流れ続けているという食い違いが決め手です。国際雲図帳は地上の観測者にはほとんど動かず、数時間その場にとどまる。一日を超えることはまれとし、雲の中の模様が端から端へ移っていくことで風の速さが分かる場合があるとしています。富士山でこの雲に付いた呼び名が笠雲とつるし雲です。

この雲が出ている空で起きていること

雲のある高さに強い風が吹き、その層が安定している状態です。国際雲図帳は山岳波によるこれらの雲を大気の中層に強い風があり、そこが安定していることの現れとし、降水を作らないと明記しています。山にかかった姿は昔から人の目を引いてきたもので、山に笠雲がかかると雨風の項に言い伝えの側からの記述があります。