塔状雲

雲の種と変種

高さ: 決まった高さを持たない

共通の底から、小さな塔がいくつも立ち上がります。巻雲・巻積雲・高積雲・層積雲の四つに付く種で、横から見ると塔の列がはっきりします。

どう見えるか

一枚の底の上に、城の胸壁のような小さな塔が並んで立つ形です。WMO 国際雲図帳は上部の少なくとも一部に塔の形の突起があり、そのいくつかは幅より高く、共通の底でつながって列に並んでいるように見えるものと定義し、横から見たときにこの性質が特にはっきりすると付け加えています。真下から見上げると高積雲との差が出にくくなります。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

決まった高さを持たない種で、国際雲図帳は巻雲、巻積雲、高積雲、層積雲の四つに付くとしています。巻積雲に付けば上層の5kmから13km、高積雲なら中層の2kmから7km、層積雲なら地面付近から2kmと、同じ形が三つの層に現れます。四つの付き先のうち上層に留まるのは巻雲と巻積雲で、残る二つが中層と下層を受け持ちます。塔が立つのはいつでも雲の上面です。

なぜその形になるか

塔は、その層の中で起きている対流の頭にあたります。気象庁『気象観測の手引き』は雲の発生の項で上層で温度の垂直勾配が急に変わっていると、広い範囲に細胞状に対流が群をなして起こることがあるとし、巻積雲や高積雲にはこうしてできたものが少なくないと書いています。湧き上がった部分だけが上面から突き出て、塔になります。

似た雲との分け方

見分けは塔一つの大きさです。高積雲の雲片は手引きで見かけの幅が1度から5度とされ、腕を伸ばした指ほどの粒が並ぶだけなら塔状雲とは呼びません。逆に、雄大雲のように地面近くの底から一つの塊が大きく盛り上がる場合も別で、共通の底に小さな塔が連なっていることが条件になります。塔一つの高さと幅を見比べ、高さが勝っていなければ雲片の凹凸にすぎません。

この雲が出ている空で起きていること

その高さの層で、空気が上下に入れ替わっています。気象庁の雲の状態CM-8は塔状を呈してつらなった高積雲又は房状の高積雲がある状態を一つの区分として立てており、高積雲の塔状雲はここに記録されます。同じ入れ替わりが地面の近くで起これば積雲になり、層が違うだけで見ているものは変わりません。