断片雲

雲の種と変種

高さ: 下層(地表〜2km)

輪郭がちぎれた雲片は、層雲と積雲だけに付く種です。WMO 国際雲図帳は「不規則な切れ端の形をした、はっきりとぼろぼろに見える雲」と定義していて、ほかの八つの雲形には認めていません。

どう見えるか

縁が毛羽立ち、輪郭が保てていないことだけがこの種の条件です。WMO 国際雲図帳の言い方は「不規則な切れ端の形をした、はっきりとぼろぼろに見える雲」で、大きさや色は条件に入っていません。実際には灰色から白の小片が低い所に散らばり、数分のうちに形が変わります。切れ端の隙間からは、後ろにある厚い雲や青空が透けて見えます。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

付く先は層雲と積雲の二つだけで、WMO 国際雲図帳はほかの雲形にこの種を置いていません。どちらも下層の雲で、気象庁『気象観測の手引き』の出現高度は地面付近から2kmです。手引きの雲の状態CL-6は「層雲又は層雲からちぎれた雲片が存在しているか,若しくはそれらが共存している状態」を一つの符号にまとめており、層雲と積雲が元になります。

なぜその形になるか

手引きは層雲を「不規則にちぎれている場合もある」、積雲を「ちぎれた形の雲片になっていることがある」と書いています。地表近くの乱れた風が雲底をこすると、雲は一枚の層や一つの塊を保てず、縁から引きちぎられます。湿った空気が下から届いている間は新しい小片が生まれ、乾いた空気に触れたものから順に蒸発して消えていきます。

似た雲との分け方

紛らわしいのは付属雲のパンヌスで、日本語では「ちぎれ雲」と呼ばれます。こちらは種、あちらは付属雲で、分類の階が違います。WMO 国際雲図帳のパンヌスの定義は「ほかの雲の下にあり、ときにそれとつながる、ぼろぼろの切れ端」で、高層雲や乱層雲の下に湧きます。元の雲が層雲か積雲ならこの種、上に別の雲がありその下に湧いたならパンヌスです。

この雲が出ている空で起きていること

気象庁『気象観測の手引き』は雲の状態CL-7に「高層雲又は乱層雲が空をおおい,その下にちぎれ層雲又は積雲のある状態」を立て、CL-6 と分けています。上の雲から落ちた水滴で雲底の下の空気が湿り、そこで新しい雲ができている状態です。手引きは乱層雲の解説にも「低いちぎれ雲がこの雲の下に発生することが多い」と書き添えています。