温め直すときに水をふりかける?

しまう・温め直す

加える量と温め方の組み合わせを比べた公開データは見当たりません。老化したでんぷんが加熱と水分で戻る方向までは説明できますが、量までは測られていません。

言われていること

冷やご飯や冷凍したご飯を電子レンジで温めるときは、小さじ1杯ほどの水をふりかけてからラップをすると、料理サイトや炊飯器メーカーのよくある質問で案内されています。乾いた表面がふやけて炊きたてに近い状態に戻る、という説明が添えられることの多い言い方です。冷凍したご飯にも、冷蔵で硬くなったご飯にも、同じ手順が勧められます。

測るとどうか

でんぷんの糊化(α化)には水が要り、檜作進 1970 は水分30%以下では均一に糊化できないとしています。農林水産省も、完全な糊化には98℃以上で約20分が必要とします。よく炊けた米飯の水分は63%前後で、加水した水のほぼ90%を米が吸うとされます。水分が抜けた表面に水と熱を戻す方向は数値と矛盾しませんが、戻る量までは測られていません。

誰が・何を・どう測ったか

数値の出どころは農林水産省「米の調理特性」と檜作進(調理科学 1970)で、どちらも炊飯そのものの実測であって温め直しの実験ではありません。加える水の量を0mL・小さじ1・小さじ2のように変えて、温め直した米飯の硬さや水分を並べて比べた公開データは、公的機関・学会誌・メーカーの資料を探した範囲では見当たりません。

だからどうする

乾いて白っぽくなった表面にだけ水をふる。ふたかラップで水蒸気を閉じ込め、途中で一度ほぐしてから残りを温めます。水っぽくなるほどかけると、粒がつぶれます。冷凍するときに平らな形で小分けしておくと、温め直すときに厚みの差が減り、加える水も少なく済みます。水は器の底ではなく、表面に落とします。

まだ分かっていないこと

1食あたり何mLが適量か、加熱時間と水の量のどちらを先に決めるべきかは分かっていません。冷凍したごはんがパサつく場合と温め直しても硬い場合で、必要な水の量が違うのかも測られていません。加えた水が粒の中まで届くのか、表面に留まるだけなのかも確認できていません。器の形や量による差も同じです。