残ったご飯は熱いうちに冷凍する?

しまう・温め直す

熱いうちに冷凍してよいかは、かたさと衛生で答えが分かれます。

図: 温度で、ごはんが硬くなるか、火が通るか

老化(β化)=炊いたごはんが冷めて硬くなること、糊化(α化)=生の米に火が通ること。檜作進(1970)と農林水産省によると、老化は0℃付近で最も速く、−10〜−20℃と60℃以上ではほとんど起こらない。糊化は60℃付近から始まり、98℃以上で20〜30分あれば十分とされる。

言われていること

炊きたてのご飯を熱いうちに小分けして冷凍する方法は、家庭向けの料理動画などで紹介されています。料理家のきじまりゅうた(きじまごはん、6分の動画)は、炊きたてをラップで湯気ごと包み、薄く平たくしてから、粗熱が取れたら冷凍庫へ入れるよう話しています。大阪府は、加熱後の食品を冷蔵(10℃以下)で保管するよう案内しています。

測るとどうか

柴田ら2017は、岐阜県産コシヒカリの無洗米を150gの円筒に成型し、炊き立てと比べました。炊いてすぐ冷凍した飯は、解凍後のかたさが炊き立てと有意差はありませんでした。室温で1時間冷ました飯は、ラップありの上の層が炊き立てと有意差はありませんでした。ラップなしの上の層は、冷ました直後に46.1kPaで、炊き立て32.9kPaより有意に硬くなりました。1日冷凍・解凍後は39.8kPaでした。

誰が・何を・どう測ったか

柴田ら2017(一次研究)の条件は、炊飯後に直ちに冷凍する区と、室温20.6℃で1時間冷ましてからラップあり・なしで冷凍する区の比較です。冷凍は家庭用冷蔵庫の冷凍室で1日と1か月、解凍は600W相当(実測483W)の電子レンジで2分です。冷凍のときは、どの区もラップで包みました。品種はコシヒカリ1種類で、官能検査はありません。

だからどうする

炊きあがったら、一食分ずつラップで湯気ごと包み、薄く平たくします。粗熱が取れたら冷凍庫へ入れるのが、きじまりゅうたの案内です。冷ます間は室温に長く置かず、加熱後の食品は10℃以下の冷蔵で保管するよう大阪府は案内しています。温め直すは600Wで2分前後、取り出したらすぐほぐすよう、きじまりゅうたは勧めています。1か月冷凍しても、測った範囲では大きく変わらなかったので、保存は1か月までを目安にします。

まだ分かっていないこと

冷まさず冷凍したときの庫内温度の上昇や菌の増え方は、この研究では測っていません。論文は懸念として書くだけです。Junejaら2019が、10〜49℃の一定温度と冷却の温度履歴で、セレウス菌の増え方をモデル化しています。冷まし時間ごとの菌数は、抄録では確認できていません。解凍の温めムラ(中心100.4±0.6℃・端31.5±7.6℃)も、論文で課題として残っています。

出典

  1. 論文 柴田(石渡)奈緒美ら(2017) 冷凍米飯の品質に及ぼす炊飯後の冷まし工程と冷凍保存条件の影響
  2. 論文・英語 Juneja VK, Golden CE, Mishra A, Harrison MA, Mohr T, Silverman M(International Journal of Food Microbiology)(2019) Predictive model for growth of Bacillus cereus during cooling of cooked rice
  3. 公的機関 大阪府 セレウス菌、ウエルシュ菌による食中毒を防ごう!
  4. 動画 きじまごはん(きじまりゅうた) 【おいしい冷凍ごはんの作り方】家の冷凍庫+レンジ解凍でふっくらやわらか。覚えておいて損はない大人の家庭科