スミレ
春に出る草
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)
アスファルトの割れ目に、濃い紫の花が一株だけ立ちます。葉は先の丸いへら形で、葉柄の両側に翼と呼ばれる縁が張り出し、地上に伸びる茎を作りません。
ここだけ見る(決め手)
見るのは葉柄の縁です。葉は先の丸いへら形で、その葉柄の両側に幅1mm前後の翼が張り出し、付け根が細い板を挟んだ形になります。もう一つは地上に伸びる茎がないことで、花も葉も地際から別々に立ち上がり、茎の途中から花が出ることはありません。街で最も会いやすいのは、YList が Viola mandshurica を当てるスミレです。
いつ、どこに出るか
花は3月下旬から5月に開き、乾いて日の当たる硬い場所に集まります。アスファルトの割れ目、石垣の目地、線路際の砂利の縁など、土が薄く、ほかの草に覆われにくい隙間が主な出場所です。夏には花が消えますが、へら形の葉は残るため、6月以降も葉だけで探せます。園路の中央のようなよく踏まれる面では見かけず、そこはオオバコの側になります。
よく似た草との違い
黄色い花のカタバミとは色で離れますが、迷うのはタチツボスミレです。あちらは葉が丸みのある心形で、花期の途中から地上に茎が立ち、その茎の途中から花が出ます。スミレの花はすべて地際から別々に立ち、葉はへら形のままです。葉の形と、茎があるかどうかの2点で見れば、花が落ちた後の株でも取り違えずに済みます。街の植え込みでは両方が出るため、隣り合って生えていることもあります。
触れたらどうなるか
特に知られた刺激はない側の草です。葉・花・地下の根茎のいずれについても、触れて皮膚が赤くなったという報告は見当たりません。ただし出る場所が車道の縁や側溝のふちなので、手に付くのは草の成分よりも土と排気の汚れです。低い姿勢で覗き込めば、手のひらを路面に着くことにもなります。花に顔を近づけて見た後は、水で手を洗うところまでを一続きにしておきます。
増え方
実は3つに割れる小さなさやで、乾くにつれて縁が内側に締まり、種子をはじき飛ばします。種子にはエライオソームという白い付属体が付き、これを目当てにアリが巣へ運ぶため、親株から数m離れた割れ目に次の株が出ます。さらに初夏から秋には、開かないまま実る花(閉鎖花)を付け、花粉を出さずに種子を作ります。