ナズナ

春に出る草

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)

決め手は白い花ではなく、下に並ぶ実です。茎に上を向いて並ぶ倒三角形の実が見えたら、ほかの小さな白い花と迷わずに済みます。

ここだけ見る(決め手)

見るのは花より実です。先が浅くくぼむ倒三角形の平たい実が、茎に上を向いて何段も並びます。三味線のばちに見立てたペンペングサの俗称も、この形から来ています。花は直径3mmほどの白い4弁で、下から順に咲き上がるため、花序の下側ではすでに実がふくらんでいます。上に花、下に実という二段構えなので、離れていても茎の様子で見当が付きます。学名は YList で Capsella bursa-pastoris、アブラナ科です。

いつ、どこに出るか

秋に芽を出し、冬は地面に張り付いたロゼットで過ごします。葉の切れ込みが深く不ぞろいな根生葉が寒い間の姿で、気温が上がる2月の終わりから3月に、その中心から花茎が立ちます。出るのは乾いた明るい裸地で、舗装の割れ目、花壇の縁、駐車場の砂利、畑のあぜに多く見られます。踏まれる場所では背を低くしたまま咲き、花の盛りは3〜5月です。初夏には枯れた茎だけが立ち残ります。

よく似た草との違い

同じアブラナ科で場所が重なるタネツケバナとミチタネツケバナが相手です。分けるのは実の形で、こちらは幅のある倒三角形、向こうは茎に沿って立つ細い棒状になります。花はどちらも白い小さな4弁なので、花だけを見ていると見分けが付きません。実がまだ無い株では、根生葉の裂け方で見当を付けます。羽状に裂けた葉が中心ほど短く並ぶなら、こちらの可能性が高くなります。

触れたらどうなるか

葉にも茎にも実にも、皮膚を刺す毛やとげはありません。厚生労働省が自然毒のリスクプロファイル(高等植物)に挙げる種にも入らず、判定は特に知られた刺激はないに置いています。ただし道端の株には土や排気の粉が付いていますから、実をつまんで形を見たあとは手を洗います。触れずに済ませたいときは、ハンドルーペで実の縁のくぼみを横から見ます。

増え方

種だけでふえる越年草です。1株に実が数十個つき、熟すと2枚の果皮が左右へ外れて、中の細かい種が真下に落ちます。親株の足元に子が並ぶため、群れは同じ場所で年ごとに濃くなります。種は土に混じって運ばれ、靴底、車のタイヤ、持ち込んだ園芸用土が移動の道です。秋に芽生え、冬を越し、春に実らせて枯れるという回り方で、同じ暦のオオイヌノフグリと隣り合います。