含鉄泉

掲示用の泉質

区分: 療養泉の泉質名

総鉄イオンが20mg/kg以上で付く泉質名です。湧いたときの姿と、空気に触れたあとの姿がはっきり変わるので、掲示の色と浴槽の色がそろわない湯になります。

どんな成分でこの名前になるか

総鉄イオン、つまり鉄(Ⅱ)と鉄(Ⅲ)の合計が20mg/kg以上で付く名前です(指針 第1-3表)。陰イオンの主成分は問わず、特殊成分の量だけで決まる泉質の一つに数えられます。塩類泉を兼ねる源泉では泉質名の頭に含鉄-が付き、兼ねなければ単純鉄冷鉱泉のような形になります。頭書きの決まりは泉質名の頭書きにまとめました。空気に触れると価数が変わるので、数字は湧出地での姿です。

掲示ではこう書かれる

掲示の泉質欄には、含鉄(Ⅱ)-ナトリウム-塩化物泉のように鉄の価数を丸括弧で添えた書き方が現れます。分析のときどちらの鉄が主だったかを示す表記です。何をどこに書くかは温泉の成分等の掲示の決まりで、成分表では鉄(Ⅱ)と鉄(Ⅲ)が別の行に並ぶため、二つを足して限界値と見比べられます。飲用に関する注意の欄も掲示にありますが、中身は源泉ごとの定めによります。

湯の見た目と肌ざわり

湧き口では無色澄明に近く、空気に触れると時間の経過とともに色が変わります。鉄(Ⅱ)が酸化して鉄(Ⅲ)になり、水に溶けない水酸化物として赤褐色のにごりをつくるためです。浴槽の縁や湯口には鉄の赤い付着が残り、掃除の跡が茶色く見える施設もあります。掲示の色と浴槽の色が食い違うのは、この変化の途中を見ているからです。

昔の呼び名

新旧泉質名対照表⑥の旧泉質名は「鉄泉」で、炭酸鉄泉と緑礬泉という二系統がここへ入りました。前者は炭酸水素イオンを、後者は硫酸イオンを伴う湯を指します。平成26年の指針改訂では、隣に並んでいた含アルミニウム泉と含銅-鉄泉が掲示用泉質名から外れ、入れ替わりに含よう素泉が加わりました。旧泉質名の併記の欄では、今も鉄泉の語を見かけます。