塩化物泉

掲示用の泉質

区分: 療養泉の泉質名

陰イオンでいちばん多いのが塩化物イオンの湯です。溶存物質1000mg/kg以上の塩類泉が土台にあり、なめると塩の味がします。濃いものには強塩泉という語尾が付きます。

どんな成分でこの名前になるか

溶存物質(ガス性のものを除く)が1000mg/kg以上の塩類泉のうち、陰イオンの主成分が塩化物イオンのものです(環境省 2014、指針1-3(1))。ここでいう主成分はmval%が最も大きいイオンのことで、mg/kgの多さでは決めません。判定はミリバルの欄でしか追えません。ナトリウムイオン5500mg/kg以上かつ塩化物イオン8500mg/kg以上(ともに240.0mval/kg以上)なら、強塩泉が付きます。

掲示ではこう書かれる

掲示の泉質欄は陽イオンを先に置き、ナトリウム-塩化物泉のように書かれます。横棒の前が陽イオン、後ろが陰イオンという読み下しは泉質名の横棒が引き受けます。濃い源泉では語尾が強塩泉に変わります。掲示の成分値は源泉で採った湯の分析値なので、加水の有無を書いた欄と合わせて読まないと、浴槽の湯の濃さは分かりません。

湯の見た目と肌ざわり

多くは無色澄明で、口に入ると塩の味がします。鉄を伴う源泉では赤褐色のにごりが出ますが、それは鉄の側の性質で、塩化物イオンが色をつくるわけではありません。湯上がりに皮膚へ塩の結晶が残ることがあり、乾いたあとに白く見える源泉もあります。濃いという体感と浸透圧の区分は物差しが別で、高張性は溶存物質総量と泉温から計算した値で決まります。

昔の呼び名

新旧泉質名対照表④の旧泉質名は「食塩泉」で、濃さによって「弱食塩泉」「強食塩泉」、ほかの成分を伴わないものは「純食塩泉」と呼び分けられていました。この三つの呼び分けは現在の泉質名に残っていません。濃いものだけが語尾の強塩泉として引き継がれ、弱いものと純なものの区別は名前から消えて、溶存物質計の数字を読む側へ移りました。