花崗岩地帯の湯

火山ではない湯

岩に含まれるウランが、湯の性格を決めます。花崗岩は他の岩石よりウランやトリウムを多く含み、その壊変でできるラドンが地下水に溶けます。

どうして湯が湧くか

花崗岩がウランとトリウムを多く含むことが出発点です。放射壊変の系列でラジウムができ、そこから生まれるラドンは気体なので、岩に触れている地下水に溶け込みます。地下水は割れ目系循環型温泉と同じ道を通ります。堀内ら 2015(温泉科学64)は「ラドン温泉は主として花崗岩地帯に湧出する」と述べ、湧出地がフォッサマグナの西側に偏ることを示しています。

地下で何が起きているか

水が触れているのは、基盤の花崗岩に入った割れ目の壁です。堀内ら 2015 は、温泉水がこの割れ目から湧いていることを示しています。ラドンは半減期がおよそ3.8日の気体で、壁で水に溶けてから地表に出るまでが短いほど多く残ります。分析書のラドン含有量は、その時点の量を書き取った数字になります。

出てくる湯の成分の傾向

溶けている成分そのものは多くならず、単純温泉やアルカリ性の側に寄るものが目立ちます。気体であるラドンは湧出後に空気へ抜けていくので、採取から測定までの時間が値を左右します。山本・富田 2015(温泉科学64)は、花崗岩よりも温泉沈殿物のほうにラジウムが濃縮される例を挙げています。掲示の泉質名としての扱いは放射能泉の担当です。

地上での見え方

地上の目印は、花崗岩の山と、その割れ目に沿った湧出地です。噴気地帯のような湯けむりは伴わず、泉温も上がらないものが多いので、掲示は低温泉や冷鉱泉の区分に落ちます。割れ目の一本ずつが道になるので、一か所あたりの湧出量も大きくなりません。湧出口にたまる沈殿物のほうが湯そのものより測った値の高くなることもあり、見えている湯だけが量の全部ではありません。