深層地下水型温泉

火山ではない湯

雨や雪が、時間をかけて温まって戻ってきた湯です。火山の熱ではなく、深さの分だけ上がった地温で温められています。

どうして湯が湧くか

地表に降った雨や雪が地中にしみ込み、深いところをゆっくり流れる間に温まります。熱を与えるのは地温勾配と、古い火成活動の冷めのこりの熱です。別府温泉地球博物館は、こうした陸水(淡水)起源のものにこの名を使っています。火山の側から高温の流体が混ざってこないところが、マグマだまりを熱源とする湯との分かれ目になり、水も熱も地表と地層の側から来ています。

地下で何が起きているか

地下では、水が長い時間をかけて岩に触れ続けます。神奈川県温泉地学研究所は、この型について溶けている成分が少なく、pHが10に達することもあると書いています。岩から溶ける量が限られたまま、二酸化炭素の乏しい環境で反応が進むと、水はアルカリ性の側へ寄ります。届く深さが浅いぶん、温度は高いもので40℃ほどにとどまります。道が割れ目で決まる割れ目系循環型温泉とは、水の流れ方が違います。

出てくる湯の成分の傾向

薄くてアルカリ性という組み合わせになりがちです。溶けている量が少なければ掲示は単純温泉で、湧出地のpHが8.5以上あればアルカリ性が頭に付きます。塩分が濃く出るときは、水の出どころが違う化石海水型温泉の側を疑うことになり、両者は塩分の量と水の同位体比で分けられます。分析書の上では、小さい溶存物質計と高いpHが並ぶ形で現れます。

地上での見え方

地上に湧き口は無く、掘った井戸の口だけが見えます。丘陵や平野の縁に多く、湯温が低いので加温して使う施設が普通です。25℃に届かない湯でも、定められた成分が基準を満たせば温泉法上の温泉として扱われます。湯そのものは澄んでいることが多く、分析書には無色澄明と記録されます。地表の景色からは、その下に湯があることまでは読み取れません。