割れ目系循環型温泉

火山ではない湯

湯の道が、線で決まっている型です。断層や割れ目にしみ込んだ地下水が深くまで潜り、温まって同じ割れ目を上がってきます。

どうして湯が湧くか

地下水が割れ目という一本の道を通って深くまで潜り、地温勾配のぶんだけ温まって、同じ道を上がってきます。別府温泉地球博物館は、これを非火山性温泉の一類型として挙げています。周りの岩がほとんど水を通さなくても、割れ目さえ深くまで続いていれば循環は成り立ち、火山の熱を借りずに湯になります。

地下で何が起きているか

動いているのは、層の中ではなく面の上です。深層地下水型温泉や化石海水型温泉では水が地層に広く含まれていますが、この型は水の通りやすさが割れ目の面に集中します。割れ目が閉じていれば同じ岩でも水は通らず、断層が動いた跡のある場所ほど道は開いています。潜る深さと通る速さで泉温が決まり、浅い地下水が途中で入り込むと、そのぶん薄まって温度も下がります。

出てくる湯の成分の傾向

溶けている成分は、多くならないのがふつうです。水と岩が触れる場所が割れ目の壁に限られ、とどまる時間も地層の中を進む水ほど長くならないためで、掲示では単純温泉の側に寄ります。深く潜っていても成分が薄いことがあり、泉温の高さと成分の濃さは連動しません。壁の岩がそのまま出るのも特徴で、花崗岩地帯の湯のようにラドンを伴うかどうかは、通り道の岩石が決めています。

地上での見え方

源泉が一直線に並ぶのが、この型の見え方です。分析書の湧出地と採水地の欄を地図に落とすと、断層の線をなぞる並びが出てきます。崖や谷が同じ線を通っていることもあり、湧出地の配列は地形の側からも読めます。線から離れた場所ではどれだけ深く掘っても、割れ目を外せば湯は出ません。深さは条件のひとつでしかなく、掘る場所が線の上に乗っているかのほうがものを言います。