入浴剤の添加
湯の入れ方
湯に入浴剤を加えたときは、その名称と理由を掲示します。温泉法施行規則第10条第2項の中で、加えたものの名前まで書かせる欄はここだけです。
何のためのものか
浴槽の湯に、湯以外のものを加えたことを利用者へ知らせる欄です。温泉法施行規則第10条第2項の第四号は入浴剤を「着色し、着香し、又は入浴の効果を高める目的で加える物質」と定めたうえで、加えた場合に当該入浴剤の名称及びその理由を掲示させています。加えたものの名前まで書かせるのはこの号だけで、同じ号には浴槽水の消毒も同居しています。湯の色やにおいの出どころを、掲示の側から確かめられるようにした欄です。
どう使うか
読む順は名称、理由、そして日付です。名称の欄に見慣れない語が並んでいれば、湯の色やにおいの一部はそこから来ていると読めます。季節の変わり湯を行う施設では、実施する日を別紙で知らせる例もあります。欄が「なし」であれば、湯の色は湯そのものの色ということになり、湯の花の見え方とも読み合わせられます。変わり湯を行う日と行わない日で、同じ浴槽の見え方は変わります。掲示の日付は、その紙がいつのものかを示しています。
掲示・表示との関係
条文には除き書きが付いていて、入浴する者が容易に判別することができるものは入浴剤から除かれています。ゆず湯やしょうぶ湯のように、浮かべた果実や葉そのものが見えるものがこれにあたり、温泉の利用状況の表示の欄に名前は出ません。季節の変わり湯が掲示に現れないのはこのためです。見て分かるものは名前を書くまでもないという整理で、浮かんだ実や葉が名称の代わりを務めます。掲示の欄と浴槽の見た目は、そろわないことがあります。
気をつけること
入浴剤を加えた湯の色やにおいは、壁の分析書の成分表とは別のものです。分析書は源泉から採った湯を調べた紙なので、溶存物質計の欄にも成分の欄にも、後から加えたものは載っていません。入浴剤は医薬部外品または化粧品にあたり、この本では商品名も働きも扱いません。分析書と掲示は別のことを書いた紙なので、読み分けるところから始めることになります。湯の素性は分析書の側に、その日の浴槽の事情は掲示の側にと、持ち場が分かれています。