循環式浴槽

湯の入れ方

浴槽の湯をろ過器に通して、繰り返し使う構造です。厚生労働省の衛生等管理要領はこれを、温泉水や水道水の使用量を少なくする目的の浴槽と定義しています。

何のためのものか

厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」の定義では、温泉水や水道水の使用量を少なくする目的で、浴槽の湯をろ過器等を通して循環させる構造の浴槽を指します。節約という目的そのものが、定義の中に書き込まれているのがこの語の作りです。源泉の湧出量に限りがあっても、広い浴槽を満たして湯温を保てるため、大浴場や露天風呂、気泡発生装置を備えた施設で広く使われています。湯は浴槽と機械室のあいだを、休みなく回り続けています。

どう使うか

浴室から見えるのは、湯の出入口だけです。要領は役割ごとに語を分けていて、集毛器は浴槽水に混入した毛髪や比較的大きな異物を捕集する網状の装置、ろ過器は微細な粒子や繊維等を除去する装置、循環配管は湯水を浴槽とろ過器等の間で循環させる配管を指します。ろ過された湯水は浴槽の底部に近い部分から補給される構造と定められており、循環水取入口がその口にあたります。入浴者の側でできるのは、その口をふさがないことだけです。

掲示・表示との関係

温泉法施行規則第10条第2項は、温泉を循環させて公共の浴用に供する場合はその旨(ろ過を実施している場合はその旨を含む)及びその理由を掲示させています。温泉の利用状況の表示では循環ろ過装置使用の欄に「あり」が入り、その隣に理由の一行が並びます。理由の側に書かれるのは、湧出量や湯温をめぐる施設の事情です。同じ紙の中で、加水や消毒の欄が「なし」になっている例もあります。循環の号だけは、ろ過の有無まで書き分けさせています。

気をつけること

見えない側にこそ、部品が続いています。貯湯槽と循環配管はろ過器の先にあり、要領は1週間に1回以上ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出し、循環配管の生物膜を除去して消毒することを求めています。厚生労働省のレジオネラ対策の指針も、浴槽そのものより配管の側を管理の対象に置いています。浴室の中だけを見ていても、この設備の輪郭はつかめません。見える取入口は湯の口であって、装置そのものではありません。