貯湯槽
湯の入れ方
浴槽へ送る前の湯を、ためておく槽です。厚生労働省の衛生等管理要領はこれを原湯等を貯留する槽と定義し、保つべき温度まで数字で決めています。
何のためのものか
厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」の定義では、原湯等を貯留する槽を指します。原湯は浴槽の湯を再利用せずに直接注入される温水のことで、源泉から引ける量と、浴槽で使う量の時刻ごとのずれをこの槽が吸収します。要領は循環式浴槽の設備としてだけでなく、かけ流し式の施設にも温泉資源や湯量の確保を目的として置かれることがあると書いています。浴槽の湯として現れる前に、多くの施設で湯はいちどここを通ります。
どう使うか
浴室からは見えない場所にあります。機械室や屋外に置かれ、湯口や洗い場の湯栓とシャワーから出た後に、はじめて姿を見せます。施設の側の仕事は温度の保持と清掃で、要領は貯湯槽を完全に排水できる構造とし、設備の破損等の確認と温度計の性能の確認を行うことを求めています。掃除や点検は営業時間の外に回されるので、浴室の側からその作業を見る機会はありません。温度を確かめるのも点検の記録を残すのも、機械室の側の仕事です。
掲示・表示との関係
掲示に貯湯槽という欄はありません。温泉法施行規則第10条第2項が並べているのは加水、加温、循環、入浴剤と消毒の四つの号で、この槽は掲示の裏側にある設備です。それでも加温が「あり」の施設では熱を加える場所としてこの槽が関わることが多く、理由に書かれた一行が、そこへ届く手がかりになります。温泉の利用状況の表示は、そう読み替えられる紙でもあります。掲示に無いものを、掲示の並びから読み取ることになります。
気をつけること
飲料水側の受水槽や高置水槽と取り違えないところです。あちらは水道の水をためる槽で、こちらは浴用の湯をためる槽ですから、定められた温度も管理の目的も違います。要領は通常の使用状態で湯の補給口や底部等に至るまで60℃以上、最大使用時でも55℃以上を保つ能力を求め、底部は汚れが堆積しやすく低温になりやすいとしています。難しい場合は浴槽水の消毒と同じく消毒設備を置きます。同じ槽という字でも、中身も定めも別です。