カシオペヤ座

一年中見える星座

見え方: 肉眼で見える

カシオペヤ座は、北斗七星が低い季節に北極星を探すもう一本の道になるW字の星座です。

形のたどりかた

2等から3等の五つの星が、二か所で折れる線を作ります。西の端からカフ、シェダル、ツィー、ルクバー、セギンの順にたどると、星と星の間隔がほぼ等しいことに気づきます。この並びは北極星を軸に一日で一周するため向きが定まらず、高いところではMの字、北の低い空ではWの字、昇り降りの途中では縦に立ちます。字の形ではなく折れ線として覚えると、どの向きでも拾えます。こぐま座との位置関係だけは変わりません。

目じるしになる星

Wの両端の辺を外側へ延ばし、交わらせます。カフからシェダルへ、セギンからルクバーへ引いた二本は、星座の外の一点で交わります。その交点と中央のツィーを結び、5倍ほど延ばした先が北極星です。ツィーから北極星まで約29度は、腕を伸ばしたにぎりこぶし三つぶんにあたります。北斗七星が北の地平線に伏せる秋から冬の宵は、おおぐま座よりこちらが確かな道しるべになります。

見ごろの時期と南中高度

周極星なので一年じゅう空にありますが、見上げやすいのは11月下旬の午後9時ごろの南中前後です。中央のツィーは赤緯プラス60.7度、東京(北緯35.7度)では高度65度前後まで上がり、真南ではなく天頂の北側を通ります。赤緯が土地の緯度より大きい星に共通の通り道です。初夏の宵は北の地平線すれすれ、高度6度ほどまで落ち、低い建物にも隠されます。向きと高さは星座早見盤で日付から確かめられます。

見える範囲(緯度と空の明るさ)

五つの星の赤緯はプラス56度からプラス64度に収まります。「90度から緯度を引いた値」より赤緯が大きい星は沈まないという関係にあてはめると、北緯34度より北なら五つとも沈みません。本州南端の潮岬あたりでは、シェダルが地平線をわずかに切ります。明るさは3等台までなので市街地でも五つそろって見えますが、低い位置では大気減光で端の星から欠けていきます。

星座の中の見どころ

W字は天の川の帯の中にあり、双眼鏡を向けると散開星団が続けて視野に入ります。ルクバーの近くのNGC457は6.4等で、二つの明るい星を目に見立てた並びが7倍でも数個の粒に分かれます。カフの北のM52とルクバーのそばのM103は7等前後、同じ双眼鏡では粒に割れず、小さなしみのままです。粒になるか、しみで止まるかの差が、三つを並べると分かります。帯を東へたどればペルセウス座二重星団に届きます。

名前と物語

由来

ギリシャ神話では、エチオピアの王妃カシオペイアと伝わります。娘アンドロメダーの美しさが海の精霊たちに勝ると自慢したためポセイドーンの怒りを買い、怪物の生け贄に娘を差し出す羽目になったとされます。のちにペルセウスが娘を救いましたが、カシオペイアの高慢だけは許されず、罰として椅子に座ったまま星座になり、天の北極を回るあいだ半分は逆さまの姿にされたという話が伝わっています。

和名と人が使ってきたこと

日本では、星の並びを船の錨に見立てていかり星、山の形に見立てて山形星と呼んできました。向きは一日のうちで大きく変わり、高いところではMの字、北の低い空ではWの字に見えるため、地方によって同じ並びに違う名前が付けられたと考えられます。おおぐま座の北斗七星が沈む季節でも、この星座は沈まずに残ります。

正体と距離

W字の5星も距離はさまざまです。中央で光るツィー(ガンマ星)は、自転が非常に速いために周りへガスの円盤を吹き出す、不安定な星として知られています。明るさが数年単位で不規則に変わることがあり、名前のある星の中でも珍しい、性質がまだすべて分かっていない星の一つです。同じW字の中に、これほど気まぐれな星が混じっていることは見た目では分かりません。