ケフェウス座

一年中見える星座

見え方: 空が暗ければ肉眼で

ケフェウス座は、カシオペヤ座と北極星の間で、横に倒れた家の形にたどる五角形です。

形のたどりかた

カシオペヤ座のW字と北極星のあいだに、五つの星が五角形を作ります。四角い胴に三角の屋根を載せた家を横倒しにした形で、土台の角がいちばん明るい2.5等のアルデラミンです。そこから胴の四角をたどり、最後に屋根の頂点にあたるγ星へ回ると一周します。胴を作る星は3等台なので、五角形が閉じるかは空の暗さしだいです。屋根の先はいつも北極星の側を向いています。

目じるしになる星

2.5等のα星アルデラミンが、この星座で唯一の2等星です。W字の西の端のカフから、天の川に沿って20度ほど西へ進むと、土台の角にあたるこの星に届きます。屋根の先のγ星エライは北極星から11度ほどの近さにあり、数千年後には天の北極へ最も近い星になる位置です。残る星は3等から4等で、光害の強い空では土台の角だけが残ります。

見ごろの時期と南中高度

南中するのは10月中旬の午後8時ごろで、秋の宵に北の空の高いところへ来ます。α星は赤緯プラス62.6度、東京では高度63度前後まで上がり、真南ではなく天頂の北側を通ります。周極星なので一年じゅう地平線の上にあり、真夜中を選べば季節を問わずたどれます。春の宵は高度8度ほどまで落ち、空気の層と地上の明かりに沈みます。天の川をはさんではくちょう座の北にあたる位置です。

見える範囲(緯度と空の明るさ)

カシオペヤ座は見えるのに、こちらは街で欠けます。2等星がα星ひとつだけで、残りが3等から4等だからです。肉眼の限界等級が3等ほどまで下がる市街地では五角形が閉じず、4等台まで届く郊外の空で初めて家の形になります。緯度の側では、五つの赤緯がプラス58度からプラス78度なので本州なら沈みませんが、那覇では土台側が地平線を切ります。

星座の中の見どころ

μ星はガーネットスターと呼ばれ、肉眼で届く範囲でもきわだって赤い変光星です。3.4等から5.1等を2年ほどかけて行き来し、双眼鏡では色の濃さがはっきりします。δ星は明るさの変わり方から距離を測る物差しになった星で、5.37日の周期で3.5等から4.4等を往復します。近くのζ星とε星と明るさを見比べると、肉眼でも変化を追えます。同じく肉眼で追える変光星にアルゴルがあります。

名前と物語

由来

ギリシャ神話では、カシオペヤ座の王妃を妻に持つエチオピア王ケフェウスと伝わります。妻の慢心が招いた海の怪物の脅威から国を救うため、娘のアンドロメダ座を生贄に差し出す決断を迫られたとされます。のちに娘がペルセウス座の英雄に救われたことで一家は難を逃れ、家族そろって星座に上げられたという話が伝わっています。

正体と距離

土台のアルデラミンは約49光年、エライは約45光年と太陽に近い部類の星ですが、屋根に近いδ星ケフェイはおよそ890光年先にあります。この星の名は、明るさが規則正しく変わるケフェイド変光星という星の仲間全体の呼び名になっており、遠い銀河までの距離を測る物差しとして使われてきました。

変わるもの

地球の歳差運動により、天の北極はおよそ2万6000年で天球を一周します。現在の北極星はこぐま座の星ですが、極の位置はこの先も少しずつ動き続けます。この星座のエライがおよそ1000年後、アルデラミンがおよそ5500年後に、それぞれ天の北極にいちばん近い星として北極星の役目を引き継ぐと考えられています。