デッドバグ
腹・体幹
器具: 自重 / 難易度: 初級
デッドバグは、腰を守る体幹の基礎エクササイズ
効く筋肉
腹横筋と腹直筋が、手脚を動かす間も腰を動かさない役を担い、脇腹や背中まで含めた体幹の安定を練習できます。運動中の腹横筋の厚みを安静時と比べて超音波で測った健康な女性44人の研究(2023年)では、デッドバグは比べた他の4種目より増え方が大きくなりました。ただし別の13人の研究では、6種目の腹横筋の厚みに差が出ませんでした。
やり方
仰向けで股関節と膝を90度に立て、両手を肩の真上へ伸ばして手のひらを向かい合わせます。動く前に息を吸い、お腹を前ではなく脇腹へ横に広げて腹圧を作ってから、右手と左脚を床すれすれまで伸ばします。腕は親指を下へ向け、耳と同じ線まで一直線に動かして戻します。もう一方の腕は天井へ立てたままにします。片側3秒で左右交互に各10回、2〜3セットです。
フォームの注意点
腰が浮いて反ったら、伸ばす角度を浅くします。「腰を床へ押しつけて平らに」はよく使われる合図ですが、Squat University はほとんどの人に勧めていません。腰を曲げると痛む人には屈曲を促す合図になり、重い挙上で保つ軽いカーブとも合わないためです。腰の下に片手を入れ、手を押し潰さず腰も浮かさない自然なカーブを保ちます。
バリエーション・代替種目
強度は段階で調整できます。デッドバグを含む4種目を5段階の強度で行った健康な男性10人の筋電図では、段階が上がるほど関連する腰の安定筋の活動も高まりました。Squat University の進め方は、脚だけ蹴り出す形から、対側の腕と脚、手に軽い重り、足への抵抗の順です。四つ這いならバードドッグ、静止して耐えるならプランクへ。
出典
- 論文・英語 Tsartsapakis I ほか(2023) Transversus Abdominis Ultrasound Thickness during Popular Trunk-Pilates Exercises in Young and Middle-Aged Women
- 論文・英語 Bini RR, Bini AF(2021) Comparison of linea alba length and core-muscles engagement during core and lower back orientated exercises
- 論文・英語 Kim CR ほか(2016) Electromyographic Changes in Trunk Muscles During Graded Lumbar Stabilization Exercises
- 動画・英語 Squat University You're Doing Dead Bugs WRONG! Fix This for Stronger Abs & a Bulletproof Core
- 動画・英語 Southern California University of Health Sciences The Dead Bug Exercise - The Key to Core Strength and Back Relief
解説動画: ランナーのためのデッドバグ:走る姿勢を保つ体幹をつくる/【タカヤマラソン】チャンネル
なぜ上体を起こす腹筋では足りないのか: きれいなフォームで走る人ほど体幹が固定され、体が上下左右にぶれない。ところが上体を起こす一般的な腹筋は、腹直筋の上のほうしか使えず姿勢維持には物足りない。デッドバグなら腹直筋の真ん中から下、横腹の腹斜筋、コルセットのような腹横筋まで動員でき、しかも止めて我慢する形で使うので走りに直結する。体を支えて安定させる力が身につく。
セットアップと腰の隙間: 仰向けに寝て両足を持ち上げ、股関節と膝が90度になる位置をつくる。手は前へ伸ばす。ここで腰と床の隙間に手のひら1枚分をつくり、この隙間を動作中ずっと保つ。手を上げたり足を伸ばしたときに隙間が潰れたり広がったりすると腰を痛める。この隙間を保った姿勢が人間にとって一番よい姿勢で、走るときにも同じ姿勢を保てるようになる。
動作とレベル分け: スタート姿勢から手を頭のほうへ、足を遠くへ伸ばし、10秒キープを6回、合計60秒行う。きつすぎる場合は片手片足だけのレベル1、両手両足のレベル2、上体を起こした状態で行うレベル3と3段階から選べる。後半は伸ばした手を上下に振る強化版を足すと、さらに腹筋に効いてくる。
先にストレッチしておく: 背中や股関節が硬いと、手を上げたり足を伸ばしたときにうまくお腹に効かせられないどころか、腰が反って痛める可能性がある。四つ這いで手を前に伸ばして背中を伸ばす、膝立ちで股関節の前とお腹を伸ばす、足を大きく開いて付け根を地面に近づけるなどをそれぞれ30秒ずつ行ってから始める。この準備でデッドバグの効きが変わる。
終わったあとと強度調整: 終わりに背伸びをしてお腹を伸ばし、腰が張った感じがあるときは腰を丸めてリラックスさせる。ストレッチを含めても5分程度で終わる構成だが強度は高く、翌日に筋肉痛が来るレベル。腰が痛い、腰に不安があるという人は強度を落として行う。