シャウト
表現の技
息の勢いで声をあえて割って出す発声
どういう技術?
息の勢いで声を割って出す発声です。声帯そのものを強くこすらず、その周りの組織と息の乱れで歪みを作るのが、体に残りにくいやり方とされます。ロックやラウド系で感情の頂点を示す一撃になります。うまく出せていれば声はさほど枯れませんが、力任せだと数曲でつぶれます。
やり方
まず息だけで「ハァッ」と強く吐き、そこへごく軽く声を乗せます。喉を締めて叫ばないでください。おなかを1拍で一気にへこませ、0.5秒以内で切ります。伸ばすほど負担が増えるので1曲に2〜3回まで。出したあとは普通の声で1フレーズ歌えるかを必ず確かめ、違和感があれば次はやめます。
練習のしかた
週2回・5分まで。喉が温まってから5回出して終わりにします。直後に普通の声が出るなら許容範囲、かすれて戻らないなら量を減らします。数か月続けても歪みが作れない人はいて、体質と体格の差が大きい技です。出せなくても歌が下手ということではありません。
やりがちなミス
痛みが出たらその場でやめます。喉の奥がひりつくまま続けると、翌日まで声が戻らないことがあります。声帯のトラブルは自己判断せず、声枯れが2週間以上続くようなら耳鼻咽喉科で診てもらってください。音量も上がるため、マイクの向きによるハウリングにも気をつけます。
解説動画: ガナリ声には2種類あるって本当?練習方法と喉が痛くなる時の対処法。/しらスタ【歌唱力向上委員会】
がなり声は2種類ある: 同じがなりでも、粒の細かいものと粒の大きいものに分かれる、というのが講師の整理です。この呼び分け自体は講師たちが独自に付けたものだと断りが入ります。歌の中で使いやすいのは粒の細かいほうで、粒の大きいほうは歌に混ぜにくく、ここぞという1音で強く出す使い方が向くそうです。
飛ばす方向で作り分ける: コツは声を飛ばす方向で、細かいほうは前へ響かせ、大きいほうは下や後ろへこもらせます。どちらも響きは下寄りですが、傾向として細かいほうは喉仏をやや高め、大きいほうは下げ気味が出しやすい。ただしやりやすさは人によるとのことで、講師のひとりは細かいほうが難しかったと話します。
土台になるのは地声: そもそもがなり自体が喉に良い発声ではないと講師は言い切ります。手順は地声を出す→仮声帯を揺らす→重ねるの3段階で、1段目の地声が出ていないままノイズだけ足すと負担が一気に来ます。家の土台と同じで、そこが崩れていれば上に積んでも全部崩れる、という例えです。
喉が痒くなる人の直し方: 3段目で重ねた瞬間に喉が痒くなり咳き込むのは、地声がスカスカなタイプで、女性に多いそうです。対処は3つ。母音を変えると喉頭や口の中の位置が動いて厚みが出ることがある、ガ・ダ・バなどの濁音は声帯を助ける働きがある、あとは喉仏を上下どちらかに大きく動かす。試して痛くなければそれでいい、という判断です。
重い痛みは音量を落とす: 殴られたような痛みが出て声が重くなるのは、地声を強く使いすぎるタイプで男性に多い。放置すると声が枯れて3日ほど出なくなり、裏声まで出なくなります。対処は地声の音量を4分の1まで落としてそこにノイズを乗せること。喉仏を上げるとソフトになるとも言い添えます。いずれにしても痛くなる前にやめるのが大前提です。