ヒーカップ

表現の技

歌い出しを一瞬しゃくり上げる歌い方

どういう技術?

言葉の出だしで声を一瞬しゃくり上げる技です。息を吸うような音を混ぜ、0.2秒ほどで本来の高さへ着地します。名前のとおりしゃっくりに似た動きで、切なさや幼さが出るため、ポップスやアイドル系でよく使われます。声帯をいったん離してから素早く閉じ直すことで起きます。

やり方

歌い出しの母音の前に、小さく「ヒッ」を置くつもりで入ります。息を吸いながら声にする感覚で、本来より低い高さから入り、すぐ正しい音へ上げます。強く入れるとむせたような音になるので、聞こえるか怪しい薄さで十分です。1行目の頭だけに使うとよく効きます。曲の途中で繰り返すほど効果は薄れます。

練習のしかた

3分。同じ「あ」を10回出し、そのうち3回だけヒーカップを混ぜて録音します。聞き返して入れた場所を当てられるなら成功、全部同じに聞こえるなら弱すぎです。慣れれば1〜2週間で使えますが、曲を選ぶ技なので、まずは静かな曲のAメロで試してください。テンポの速い曲では埋もれます。

やりがちなミス

多用すると歌全体が幼く聞こえ、バラードのような大人びた曲では浮きます。息を吸う音がマイクに強く乗ると雑音になるため、マイクとの距離は少し離します。採点では加点になりにくく、むしろ出だしの音程がずれたと取られます。表現として使うものと割り切ってください。

解説動画: 【歌唱テクニック】声を裏返したような効果!ヒーカップ 解説とやり方教えます【ボイトレ】【ボイストレーニング】【カラオケ】/東本ボイストレーニング

二つの型から一つ選ぶ: 声を一瞬ひっくり返す技で、入れる位置によって型が二つに分かれます。語尾で使う型と、フレーズの合間に差し込む型。講師は歌唱法の中では中級ぐらいの難しさとし、まずやりやすいほうを一つできるようにして、それが固まってからもう一方へ進む順番を勧めています。

語尾の型はブレスアウトから: 語尾の型には、伸ばした音の最後に余った息を瞬発的に吐く「ブレスアウト」が要ります。だらだら垂れ流すとかっこ悪いので、単発で短く、スパッと切る。伸ばしている声から切り離さずつなげて吐くのも条件です。この吐くところに裏声を混ぜると、ひっくり返る音になります。

裏返しは短く、そこで脱力: 裏声への切り替えは、声帯を一気に開いてひっくり返す練習で作ります。裏返った先はできるだけ短くカットし、そこは一気に脱力させる。ため息で力が抜けているあの状態に声をのせる感覚なので、喉は非常に楽なままできます。ブレスアウトと裏返しは別々に練習して、後から合体させます。

合間に入れる型は難しい: フレーズの途中に差し込む型は、ブレスアウトの勢いを借りられず裏返しだけで勝負することになります。切り替えが遅いとただ声が裏返った失敗に聞こえるのが厄介なところ。裏返した先の音程は気にしなくてよく、練習はゆっくり丁寧にやって徐々に速くするしかない、と説明しています。

語尾で使うと喉が緩む: 語尾のこの処理には喉を一度リセットする効果もあります。ひっくり返したところで喉が緩むので、次のフレーズが歌いやすくなる。ただし入れられる場所は探せばいくらでもあるぶん、やりすぎないほうがいいというのが講師の考えで、自分の歌を聞いて判断するよう促しています。