声に出す
体で覚える
黙って読むのではなく、覚える箇所だけ声に出す
どんな技?
覚えたい箇所だけを選び、そこを声に出して読みます。ほかの行は黙って読み、声を出す箇所は全体の一部だけにします。用語の定義や数字、言い回しを覚えたい一文が向きます。人のいる場所では口を動かして小さくつぶやく形に替えます。差が出ているのは同じ紙面で扱いを分けたときで、はじめから終わりまで全文を読み上げる形ではありません。
なぜ効くのか
黙読の行に混ざって声に出した箇所だけが、ほかと違う扱いを受けた記憶として残ると説明されています。声を出せば自分の耳でも聞き、口を動かした感覚も加わるため、符号化と想起の符号化側の手がかりが増えます。後で思い出すときに使える取っ手が一つ多い状態です。ただしこの説明はまだ議論の途中で、目立ちだけで説明しきれるかは決まっていません。
やり方
1ページのうち2〜3か所に絞って印を付け、その箇所だけを声に出します。読み上げは一文ごとで切り、読み終えたら本を閉じて言い直します。声に出す箇所が半分を超えたら印を減らします。用語の定義や数字のように言い回しごと覚えたい行を選ぶと、印の付け先で迷いません。処理を重ねたいなら図を添える描いて覚えると組み、時間は1節あたり2分前後で見ます。
はまりどころ
全部を声に出すと、黙読の箇所という比べる相手が消えて差は小さくなります。理解が深まる・読む速さが上がるという話とも別で、確かめられているのは語や文を覚えたかまでです。声を出せない場所では使えず、黙読より時間は余分にかかります。黙読中の内なる声を消せば速くなるという説とは無関係で、そちらは内なる声を消せば速くなる説の側の話です。
確かめられ方
MacLeod と Bodner 2017 の総説では、声に出した語が黙読した語より後で思い出しやすいとまとめられています。材料は単語や短い文が中心で、対象は実験に参加した学生が主です。Fawcett 2013 のメタ分析では全部を声に出す条件だと差が縮み、Fawcett ら 2023 の更新版では見覚えを問う形式なら利益が残ると報告されています。