ザワークラウト(乳酸キャベツ)
漬物・糠床
ザワークラウト(乳酸キャベツ)は、キャベツに塩だけをして自身の乳酸菌で発酵させた、酢を使わない漬物です。
どんな発酵?
キャベツに塩をして、キャベツ自身に付いている乳酸菌に発酵させたものです。酢は使いません。発酵が進むにつれて酸味が出て、色が透き通っていきます。ヨーロッパの保存食で、発酵の入門としていちばん失敗が少ない部類です。キャベツを含む複数の野菜で発酵を調べた研究でも、乳酸菌が主役になりやすいことが確かめられています(ベルギーの大学などのチーム、Eilersら, 2026)。
材料
キャベツと塩だけ。塩はキャベツの重量に対して2%が基本です。キャラウェイシードやローリエを加えると香りが変わります。塩分が低いと乳酸菌が優勢になるまでに時間がかかり、そのぶん他の菌も増えやすくなると、ベルギーの大学などのチームが野菜の発酵実験で報告しています(Eilersら, 2026)。目安の2%を大きく下回らないのが安全です。
仕込み方
千切りにしたキャベツに塩をして水が出るまで強くもみます。容器に詰めて、キャベツが自分の水に完全に沈むように押し込む—— ここが成否のすべてです。常温で3〜7日、泡が落ち着いて酸味が出たら冷蔵へ。
見極めと失敗
水面から出た部分は必ずカビます(→水が上がらない)。酸っぱい匂いなら成功、腐敗臭なら廃棄—— 野菜ソムリエプロの宮崎隆至氏(農Pro)は、漬け始めは雑菌くさくても、酸っぱい香りに変われば乳酸菌が勝った合図と説明しています。色がくすんで黄色みを帯び、汁が白く濁るのも正常だと、YouTubeチャンネル「からだ修理食堂」は話しています。泡も立たず雑巾のようなにおいがする場合は失敗です。
出典
- 論文・英語 Eilers T, Van Rillaer T, Wittouck S, Tuyaerts I, Michiels K, Victor M, Gehrmann T, Bron PA, Van Beeck W, Lebeer S(2026) From diversity to dominance: how salt and CO₂ shape LAB-dominated ecosystems in vegetable fermentations
- 動画 農Pro 野菜ソムリエプロ宮崎隆至が教える失敗しないザワークラウトの作り方。なぜザワークラウトは失敗するのか。それを明らかにして確実に乳酸発酵させるテクニックを教えます。
- 動画 からだ修理食堂 「ザワークラウト」失敗と成功の見分け方
解説動画: 【大量消費と長期保存】キャベツがあったら試して!乳酸菌が爽やか〜!切って混ぜるだけの発酵食品/管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン
材料はキャベツと塩: 旬の春キャベツを使い、キャベツ自身についている菌の力だけで発酵させる発酵キャベツを作ります。ドイツのザワークラウト、フランスのシュークルートにあたるものですが、この回は香りづけも入れず、塩だけで漬けるいちばんシンプルな形で仕込みます。保存が効くうえ、付け合わせにも炒め物やサンドイッチの具にも回せると紹介します(→乳酸菌)。
洗って水気を切る: 外側の硬い葉は食べませんが、ここにも菌がついているので一緒に漬け込むため丁寧に洗います。内側はさっと水洗いで十分です。余分な水分が残っていると腐敗の原因になるため、しっかり水を切り、キッチンペーパーで押さえておきます。傷んだところは取り除き、硬い芯は外して味噌汁などに回すとしています。
キャベツの重さの2%: 千切りにしてから食べる部分の重さを量り、その2%の塩を用意します。この回は500gに対して10gでした。袋でもボウルでもよいのですが、雑菌が入らないよう清潔なものを使います。大きめの袋なら少し空気を入れて振ってもよいとしています。塩をもみ込んだあと圧をかけて押し、水気が出るところまでやるのが要点です。
空気を抜いて重しを: 清潔な瓶で発酵させることもできると触れたうえで、この回は袋のまま進めます。食べない外葉も入れ、水分を上げながら余分な空気を抜いて密閉します。バットに載せて1.5kgほどの重しをかけ、常温で3〜6日置きます。重しは水でも缶詰でもかまいません。時々味見をしながら進めるよう勧めます(→重石と、空気の遮断)。
色がくすんだら合図: 漬けたときより色が少しくすんでくるのが発酵完了の合図だとしています。この回は3日で程よい酸味になったところで終え、もっと酸っぱくしたければそのまま常温に置けば進むと述べます。最初に入れた外葉はここで取り出します。仕上げは汁ごと清潔な容器に移して冷蔵へ。汁にも菌が含まれているので残さず移すよう言い添えます。冷蔵で2週間は問題なく日持ちすると結びます。