らっきょう漬け
漬物・糠床
らっきょう漬けは、塩で下漬けして乳酸発酵させたあと、塩を抜いて甘酢に漬け替える漬物です。
どんな発酵?
らっきょうを塩で下漬けして乳酸発酵させ、そのあと塩を抜いて甘酢に漬け替えるのが鳥取県などに伝わる本漬けの作り方です。塩漬けを省いて甘酢に直接漬ける簡単漬けもありますが、こちらは乳酸発酵をほとんど経ません。鳥取県のらっきょう栽培は江戸時代に参勤交代で持ち帰った苗が始まりとされ、平成27年度には「ふくべ砂丘らっきょう」が地理的表示(GI)に登録されました。
材料
泥付きらっきょう、塩、砂糖、酢、唐辛子。鳥取県の伝統的な配合はらっきょう4kgに塩1.2kg(塩分約30%)で、塩抜きの加減が難しいのが難点です(農林水産省「うちの郷土料理」)。日本食品工業学会誌の橋本ら(1991年)の実験では、塩6%なら乳酸発酵が適度に進んで品質もよく、脱塩に必要な時間と水量を高塩区の約10分の1に減らせたと報告されています。
仕込み方
薄皮と根を取ったらっきょうを塩でまぶし、10日〜2週間ほど常温に置いて乳酸発酵させます(泡が出ます)。塩抜きは流水に半日〜1日、味見をして塩気が少し残る程度まで。ざるに上げて熱湯を回しかけてから冷まし、消毒した容器に氷砂糖・酢・唐辛子とともに漬け替えます。塩を6%程度に抑えると、橋本ら(1991年)の実験のように塩抜きの時間と水の量を大きく減らせます。1ヶ月ほどで食べごろです。
見極めと失敗
下漬け中に白く濁って泡が出るのは、乳酸発酵が進んでいる証拠です。らっきょうが液面から出るとカビます—— 落としぶたか袋で沈めてください。橋本ら(1991年)の実験では、塩3%まで下げると4週目までに乳酸が0.4%まで増えて品質が落ちた一方、塩6%なら乳酸は0.22%程度にとどまり品質は良好だったと報告されています。塩抜きが足りないと塩辛く、抜きすぎると日持ちが落ちます。甘酢に替えたあとは冷蔵で。
出典
- 公的機関 農林水産省 らっきょう漬け 鳥取県|うちの郷土料理
- 論文 橋本俊郎, 小島均, 佐竹秀雄(1991) ラッキョウの低塩塩漬とその加工性