浅漬け

漬物・糠床

浅漬けは、塩の浸透圧で水を抜いて味を入れるだけの、ほとんど発酵していない漬物です。

どんな発酵?

実は、ほとんど発酵していない漬物です。塩の浸透圧で水を抜き、味を入れているだけで、乳酸発酵が進む前に食べます。だから酸味がなく、野菜の風味がそのまま残る。塩分は2〜5%程度と低く、厚生労働省の衛生規範も浅漬は保存性のある漬物とは別枠で、10℃以下での保存を求めています。発酵食品と漬物が同じではないことが、いちばん分かりやすい例です。

材料

野菜(きゅうり、白菜、かぶ、大根)と塩。塩は野菜の重量に対して2〜3%が目安で、広島県の資料は浅漬全般の塩分を2〜5%とし、気温の高い時期は濃度を上げるよう勧めています。酢などの酸(米酢やレモン果汁など)を0.3%程度加えると、味と保存性が上がりますが、緑の野菜は退色しやすくなります。昆布、唐辛子、ゆずの皮で香りを足します。

仕込み方

切った野菜に塩をまぶし、保存袋の空気を抜いて冷蔵庫へ。30分〜半日で食べられます。栄養学の研究では、塩2%で漬けた白菜の即席漬けは、夏は12時間、冬は24〜36時間で、実際の塩分が加えた量より薄くなり、市販品よりうすく美味しい塩加減になったと報告されています。重石をするなら軽く。水が出たら捨てずに軽く絞る程度に—— 出た水にも味が出ています。

見極めと失敗

発酵していない=酸で守られていないということです。東京都の資料では、腸管出血性大腸菌は塩分4%の環境でも増えることがあると説明されています。冷蔵で2〜3日以内に食べきってください。常温に置くと、乳酸発酵より先に腐敗が進むことがあります。ぬめりや異臭が出たら廃棄。長く置きたいなら、糠床や本漬けに切り替える判断が要ります。

出典

  1. 論文 石垣志津子, 芳本信子(1985) 即席白菜漬の食塩濃度について
  2. 公的機関 厚生労働省 漬物の衛生規範
  3. 公的機関 広島県食品工業技術センター 日持ちのよい浅漬類を製造する時の注意点
  4. 公的機関 東京都保健医療局 自家製の漬物をつくるときに気を付けることはありますか?【食品安全FAQ】

解説動画: 小松菜 漬物 レシピ 実況中継/マサ飯レシピ

下ゆではさっとだけ: 小松菜をまず沸騰した湯にくぐらせます。火を通すというより、殺菌のイメージでさっと通すだけと説明し、すぐ引き上げて水にさらします。湯にくぐらせる代わりに、上から熱湯をかける形でもよいそうです。絞ってから根元を落とすと葉がばらけるので、土や砂が残りやすいその部分をもう一度洗うよう念を押します。

塩は野菜の重さの2%: 下ゆでの前に重さを量ると220グラム。根元を落とすぶんを引いて、200グラムとして計算すると言い、そこに2%にあたる4グラムの塩を合わせます(→塩分濃度の計算)。塩の量を先に決めてから、切る大きさを5センチほどの一口大に。袋に入れる前には、水気をもう一度しっかり絞っておくよう言い添えます。

だしと香りを足す: ビニール袋に入れた小松菜へ、塩のほかに和風だしを3グラムほど、わさびを2〜3センチ、鷹の爪を好みの量で加えます。わさびも鷹の爪も好きなだけでよい、という言い方です。撮影の途中で思いついて大葉も刻んで足していて、分量が決まっているのは塩だけで、あとは好みで動かせる作りになっていると分かります。

揉んで、空気を抜く: 圧をかけるように揉むと、中から水分が自然と出てくると実演します。まんべんなく混ぜることと、圧をかけることの両方を勧めています。水気が出たのを確かめたら袋の空気を抜き、口をしっかり縛る。あとは半日から一晩ほど置けば完成です。冒頭では、野沢菜のようなパリパリした歯ざわりになると紹介していました。