水キムチ

漬物・糠床

水キムチは、唐辛子を使わず塩水と米のとぎ汁で野菜を乳酸発酵させた、汁まで飲めるキムチです。

どんな発酵?

唐辛子とアミの塩辛を使わず、塩水に野菜と米のとぎ汁を入れて乳酸発酵させたものです。韓国語では「ムルキムチ」と呼ばれ、大根だけで仕込む冬の水キムチは「トンチミ」と呼ばれます。できあがった汁が酸味と甘みを持つ飲みものになるのが特徴で、冷麺のスープにも使われます。辛くないので、キムチが苦手でも入りやすい。

材料

白菜・大根・きゅうりなど、塩、米のとぎ汁(または上新粉を溶いた水)、にんにく、しょうが、りんごや梨。塩水は2%前後。米のとぎ汁が乳酸菌の餌になります。じゃがいもなど生で食べにくい野菜は不向きです。本場の水キムチはスイカを加えることもあり、みりんや砂糖、はちみつを少量加えて甘みを補う作り方もあります(シクロエの家の動画による)。

仕込み方

一回目の白く濁ったとぎ汁は酸化した糠を含むので捨て、二回目以降の澄んだとぎ汁を使います(料理動画「シクロエの家」による)。とぎ汁にしょうがとにんにくを加えて一度沸かしてアクを取ってから冷まします。野菜を軽く塩もみし、冷ました漬け汁を注ぎます。常温で1〜2日(夏は半日)。泡が立って汁が少し濁り、酸味が出たら冷蔵へ。野菜は汁から出ないよう、落し蓋などで沈めます。

見極めと失敗

濁りと細かい泡は正常です。とぎ汁は必ず冷ましてから使ってください—— 熱いまま入れると乳酸菌が死にます。塩分が低い仕込みなので、常温で置きすぎない。酸味が強くなりすぎたら、冷麺やスープの出汁として使うと無駄になりません。大根の水キムチ(トンチミ)を追跡した韓国のLeeらの研究(2012)では、冷蔵(4℃)に移したあとも20日間、乳酸菌の数と酸度が増え続けたと報告されています。酸味が徐々に強くなるのはこのためです。

出典

  1. 動画 シクロエの家 【乳酸菌と酵素の宝庫】ぬか漬け失敗した人集まれ!切って漬けるだけの簡単漬け物。アレンジ無限で野菜がたくさん食べられるレシピ
  2. 論文・英語 Lee MH, Yoo SH, Ha SD, Choi C(2012) Inactivation of feline calicivirus and murine norovirus during Dongchimi fermentation