糠床

漬物・糠床

糠床は、米糠に塩と水を加えて乳酸菌と酵母を育てた発酵床で、野菜を漬けると酸と香りが移ります。

どんな発酵?

米糠に塩と水を加え、乳酸菌と酵母を育てた発酵床です。野菜を漬けると、乳酸菌が作る酸と、酵母が作る香りが移ります。野菜から出た栄養と水分で菌が育つ一方、塩分は薄まるので、糠や塩を足しながら育てます。九州大学などの実験では、発酵中に塩を足して塩分をおよそ4〜5%に保っています。家庭の糠床とは仕込みの配合が異なるため、目安の一つとして参考にしてください。

材料

生糠1kg・塩130g(約13%)・水1L。捨て漬け用のくず野菜(キャベツの外葉、大根の皮など)を数回分。風味づけに昆布、唐辛子、山椒、干し椎茸。山椒や唐辛子を加えた区は、乳酸菌以外の菌が優勢な最初の数日間が短くなったと、東海漬物と九州大学のチームが実験用の糠床で報告しています(Onoら, 2015)。

仕込み方

糠と塩を混ぜ、水を少しずつ加えて味噌くらいの固さに練ります。くず野菜を漬けては3日ほどで交換、を2週間ほど繰り返すと乳酸菌が増えて床が立ち上がります。季節によって立ち上がりまでの期間は変わり、夏は1週間〜10日、冬は3〜4週間かかると、発酵食を紹介する英語圏のYouTubeチャンネルThe Ikigai Diet は話しています。以降は本漬けへ。

見極めと失敗

毎日、底から上下を返すようにかき混ぜます。表面近くは酸素があり産膜酵母が育ち、底は無酸素で酪酸菌が育つ—— かき混ぜるのは、この両方が増えすぎないよう空気の量を均すためです。混ぜないと、シンナー臭(産膜酵母の増えすぎ)か、靴下のような臭い(酪酸菌の増えすぎ)が出ます。仕込みから最初の2週間ほどで、糠床のpHは4〜5まで下がるのも、発酵が進んだ合図です(Onoら, 2015)。

出典

  1. 論文・英語 Ono H, Nishio S, Tsurii J, Kawamoto T, Sonomoto K, Nakayama J(2015) Effects of Japanese pepper and red pepper on the microbial community during nukadoko fermentation
  2. 動画・英語 The Ikigai Diet Nukazuke 101: Making Your Own Rice Bran Pickling Bed

解説動画: 【基本】ぬか床の作り方とお手入れ|ぬか漬け歴40年の技を伝承/【田舎そば川原】料理・漬物

材料と水加減: 米糠1kgに対して塩は15%。水は水道水を使うなら一度沸騰させて冷ましてから(ミネラルウォーターでも可)。分量は決め打ちにせず、混ぜながら調節する—— 湿度が高い日と乾いた日で糠が欲しがる水分量が変わるため。仕込みには20℃前後が適温だとしている。

入れるもの: にんにく(皮をむいて)、唐辛子、昆布などを香りづけに加える。葉に付いた土は必ず拭き取る—— カビのもとになる。菌は生きているので清潔さが第一で、きれいに扱えば発酵し、雑に扱えば腐敗すると繰り返している。ビールをカップ1杯ほど加える方法も紹介されている。

捨て漬けで床を立ち上げる: 大根の葉やかぶの葉などの捨て野菜を漬ける。1日目より2日目のほうが糠が柔らかくなる—— 野菜から水分が出ているため。柔らかくなった捨て野菜は取り出し、新しいものに替えながら混ぜ続ける。これを繰り返すうちに粘りが出て、発酵の良い香りがしてくる。

良し悪しは香りで分かる: この香りが嫌な匂いだったら失敗—— そこで判断するとはっきり述べている。柔らかくなりすぎたらカップ1杯の糠に大さじ1杯の塩を足して混ぜ込むと元の固さに戻る。毎日混ぜれば1年でも持つ。