沸かさずに火を入れる
煮る・蒸す
沸かさずに火を入れるのは、ぐらぐら煮ると固まってしまう食材があるからです。
使いどころ
温泉卵、茶碗蒸し、だしで温める料理など卵液のように高温で分離やすが入る食材に使う火加減です。卵を使う蒸し物のほとんどがこの考え方に当てはまり、なめらかな口当たりを目指す料理ほど、温度管理の丁寧さが仕上がりに直結します。フランス料理の低温調理に近い考え方で、たんぱく質を扱う料理全般に応用できる火加減です。
やり方
鍋やだし汁を大きな泡が立たない温度に保ちながら、食材をゆっくり温めます。茶碗蒸しなら蒸し器の火加減を弱めにし、蓋との間に菜箸を挟んで隙間を作ると、庫内の温度が上がりすぎるのを防げます。温泉卵を作る場合も、沸騰した湯を火から下ろして少し温度を落としてから卵を入れると、狙った半熟の状態に近づけやすくなります。だしで卵豆腐を仕上げる場合も、同じように沸騰させない温度を保ちながらゆっくり火を入れます。片手鍋のような厚手の鍋を使うと、温度が安定しやすくむらが出にくくなります。
コツ・注意
沸騰させると卵液は気泡が抜けきらないうちに固まり、すが入ったざらついた食感になります。目安となる温度はおよそ85〜90℃で、これより低いと固まらず、高いとすが入ります。湯せんで卵液を扱う場合も同じ温度感覚が使えます。温度計がなくても、鍋肌に細かい泡がつく程度を目安にすれば、家庭の火加減でもおおむね近い状態を作れます。