ムカデ

危険生物(虫)

寝袋や靴に入り込む夜の虫

見分け方

大きなものは体長20cm近くになり、湿った石や落ち葉の下、積んである薪の中に潜んでいます。夜行性で、暗くなると動き回り、脱いだ靴や広げたままの寝袋にもぐり込むことがあります。

危険・注意

顎で咬まれると焼けるような激痛と強い腫れが起こります。毒の成分は蜂に似ており、まれにアナフィラキシーを起こした例も報告されています。指や足の甲を咬まれると痛みが数日残ります。

出会ったら

蜂と違い、冷やすのは逆効果です。ムカデの毒は熱で働きを失うので、やけどしない43〜46度のお湯を5分以上かけ続けて温めると痛みが早く引きます。そのあとは患部を安静にし、腫れとかゆみにはステロイドの外用薬を使います。腫れが手足全体へ広がるときや息苦しさがあるときは受診してください。予防は靴を逆さにして置き、寝袋は寝る直前まで閉じておくことです。

解説動画: ムカデに噛まれたときの対処と、温める・冷やすの検証/小児科医テルの育児チャンネル

被害が増える季節: 現役15年目の小児科医がムカデに噛まれたときの対処を解説する回。ムカデが増えるのは繁殖期にあたる5〜6月ごろで、続く6〜8月は気温が上がって薄着で外出する機会も増えるため、噛まれる被害が多くなる。屋外へ出かける機会が増える時期だからこそ、家族で出かける前に対応を予習しておくとよいと勧めている。

出る症状: 噛まれた場所には激しい痛みが出るのが特徴で、かゆみや腫れも起こる。さらに噛まれた場所だけでなく、頭痛や発熱といった全身の症状が出ることもある。2回目以降に噛まれるとアナフィラキシーショックを起こすことがあるのが最も注意すべき点で、ひどいじんましん、息が苦しくなる、血圧が下がるといった急激な反応が現れ、場合によっては命に関わると説明している。

その場でできること: まず傷口を流水でしっかり洗い流す。細菌が入るのを防ぎ、毒の成分を減らす狙いがある。噛まれた場所を冷やすのも痛みや腫れを和らげる効果があり有効。症状が強い場合はステロイドや抗ヒスタミンの塗り薬が役に立つこともある。症状がひどいときは病院で診察を受けるのがよいとしている。

43度で温める方法の根拠: 多くの医療機関や製薬会社のサイトでは、43度ほどの湯をかける、あるいは湯につける方法が紹介されている。ムカデの毒は熱に弱く、加熱によって失活して効力を失う可能性があるためで、43度という数字は手足をつけてもやけどしない上限の目安として挙げられている。ただし同じページに温めてはいけないという意見が併記されていることもある。

結局どちらがよいのか: 杏林製薬の雑誌が引用する米国の中毒情報センターの情報では、冷やす、温める、鎮痛剤を使うのはどれも同程度の効果と評価されている。同じ記事には、温めると血流がよくなって毒の成分が全身に回り症状を悪化させるかもしれないという指摘もある。医学文献でも熱い湯で痛みが改善した報告と、逆に悪化した患者がいる報告の両方があり、どちらがよいかは調べた限り分からなかったという。そのうえで43度の湯を現場ですぐ用意するのは難しいため、流水でよく洗い、必要なら冷やす方が現実的だと述べている。