ウグイスのホーホケキョ
さえずり
「ホー」の溜めの長さが、この声の勘どころです。息を継ぐような間のあとに「ホケキョ」が短く落ちてきます。姿は藪の中にあり、声だけが先に届きます。
聞きなし
日本野鳥の会 BIRD FAN はウグイスの声を「ホーホケキョ」と書き取っています。前半の「ホー」をどれだけ引き延ばすかが聞き分けの入口で、間を置いてから「ホケキョ」が短く落ち、その落差で耳に残ります。続けて刻む「ケキョケキョケキョ」は谷渡りと呼ばれる別の型で、同じ鳥から出ても節の作りが違います。「法華経」の字を当てるのは覚えるための当て字で、溜めがあるか、刻みが続くかの二点を聞けば足ります。
さえずりか地鳴きか
この節はさえずりにあたります。日本野鳥の会は、さえずりを雄が縄張りを主張して雌に自分を示す声、地鳴きをそれ以外の場面で出る短い声として分けています。出すのは主に雄で、春から夏の繁殖期に限られます。同じ鳥が冬に出すウグイスの笹鳴きは「チャッチャッ」と短く、こちらが地鳴きです。溜めのある一節が繰り返されるならさえずりと見て構いません。
いつ・どこから聞こえるか
初鳴きは暖かい地方の平地で2月下旬から3月、寒い地方では4月にずれ込みます。鳴きはじめは「ホーホケッ」で切れたり節の途中で崩れたりして、同じ鳥とは思えないほど不安定です。気象庁は生物季節観測でウグイスの初鳴日を記録してきましたが、2021年からは対象がサクラやウメなど6種目9現象の植物だけになりました。声は林のふちとやぶや公園の低木の奥から届き、姿はほとんど見えません。
似た声との違い
緑がかった小鳥といえばメジロなので、この声の主をメジロだと思い込む取り違えが起きます。声で分ければ、メジロの長兵衛忠兵衛は高く細い音が数秒切れ目なく続くのに対し、こちらは溜めと一節がはっきり分かれます。藪の中で鳴くため、音の高さより間の取り方で決めるほうが早く付きます。姿のほうの取り違えは梅にとまる緑の鳥はウグイスにまとめてあります。
この声で何をしているか
雄が縄張りの場所を知らせ、雌に自分を示す声です。同じ藪で長く鳴き続けるのは、そこが持ち場だという主張にあたります。刻みの続く谷渡りは近づくものへ向けた声とされ、藪の前で立ち止まったときに出ることがあります。声が変わったら、それ以上踏み込まずに下がる合図として読みます。この鳥はホトトギスの特許許可局に托卵される側でもあります。