メジロの長兵衛忠兵衛
さえずり
「長兵衛忠兵衛長忠兵衛」と当てる長い早口です。高く細い音が切れ目なく続き、どこで一節が終わるのか分かりません。花の咲く木の中から聞こえます。
聞きなし
聞きなしは「長兵衛忠兵衛長忠兵衛」。日本野鳥の会は「チーチュルピーチュル」を繰り返す長く複雑なさえずりと記しています。一節が長く、区切りが読めないのがこの声の型で、文句を当てはめようとすると途中で足りなくなります。高さと細さ、そして長さの三つで覚えるほうが早く、メジロの声は終わりまで細いままです。
さえずりか地鳴きか
長く続くこの声がさえずりで、早春から繁殖期にかけてよく出ます。同じ鳥の地鳴きは「チィー」と細い一言で、木から木へ移るときや群れが動くときに出ます。地鳴きは混群の中でカラ類の細い声と紛れ、種を決めきれないことがあります。群れが動きはじめると長い節は途切れ、細い地鳴きだけが残ります。声だけでも、長さで二つに割るところまでは付きます。
いつ・どこから聞こえるか
早春の2月ごろから鳴きはじめ、花の咲く木に集まる季節と重なります。住宅地の路地と庭先の生け垣、公園の常緑樹、街路樹の上のほうから届きます。群れで動く季節は声が近づいたり遠ざかったりして、同じ場所に落ち着きません。一年を通して同じ土地にいる鳥なので、さえずらない季節も細い地鳴きだけは続きます。高い梢より、花や実のある枝を先に見るほうが姿は近くなります。
似た声との違い
この声を「ウグイスが鳴いている」と受け取る取り違えが多く、ウグイスのホーホケキョとの差が要点になります。あちらは溜めと一節に分かれ、あいだが空きます。こちらは切れ目なく数秒続き、あいだがありません。細い一言の地鳴きも交ざるので迷いますが、姿のほうの見分けはメジロとウグイスにまとめてあります。
この声で何をしているか
つがいを作る時期に集中して出る、縄張りと誘いの声です。国立科学博物館の鳥類音声データベースのように、録音を種ごとに集めて比べられる資料があり、複雑な節の中身はそこで確かめられます。群れで動く季節にも細い地鳴きは続き、仲間との位置の確かめ合いに使われます。声の質が変わったら、鳥のしていることが変わった合図です。