オオヨシキリの行々子

さえずり

ヨシ原の上から、大きな声が途切れずに続きます。「ギョギョシ」と濁った節を繰り返し、初夏の河川敷ではほかの声が埋もれるほどです。

聞きなし

日本野鳥の会はオオヨシキリについて、「ギョギョシギョギョシ」「ケケチケケチ」と大きな声で長く続けると記しています。濁った音が主で、澄んだ音がほとんど混じらないのがこの声で、節の切れ目が分からないほど長く続きます。「行々子」は古くからの呼び名で、俳句では夏の季語として使われてきました。声の大きさと濁りの二つで、ヨシ原の声はおおむね決まります。

さえずりか地鳴きか

ヨシ原に響くこの声がさえずりです。雄がヨシの茎の先に出て、口を大きく開けたまま続けます。地鳴きは「ジャッ」と濁った一言で、藪の中を動くときに出ます。同じ濁りでも、続けば持ち場を示す声、単発なら移動の声です。一度始まると長く止まりませんので、止まらない声ならまずオオヨシキリと見ます。同じ茎に長くとどまり、声の出どころが動かないところも助けになります。

いつ・どこから聞こえるか

夏鳥として5月ごろに渡来し、河川敷のヨシ原と草地や用水路沿いのヨシ帯に入ります。渡ってくる前のヨシ原は静かで、声が増えることが夏鳥の入った合図になります。日中の暑い時間でも鳴きやめず、夜中に鳴くこともあります。声が多いのは5月から7月で、8月に入ると急に静かになります。ヨシ原の縁の道から聞くだけで足り、茎を分けて中へ入る必要はありません。

似た声との違い

コヨシキリはヨシ原のほか乾いた草地にも入り、声も「ジョピジョピ」と細かく刻みます。くちばしの先から尾の先までを測った全長で比べると、オオヨシキリはスズメより大きく、コヨシキリは小さいという差です。太く濁って大きいのがこちら、細かくて軽いのがコヨシキリです。セッカは飛びながら短く鳴くので、止まって続くかどうかで分かれます。

この声で何をしているか

ヨシ原の一区画を主張し、雌に自分を示す声です。見通しの利かない場所なので、姿ではなく声で縄張りを示す組み立てになっています。長く鳴き続けられること自体が持ち場を守っている合図で、隣の雄と鳴き交わすように声が重なります。ヨシ原に踏み込めば巣のある高さを踏むことになるので、外の道から聞くのが筋です。