ヒバリの揚げ雲雀
さえずり
声だけが空から降ってきます。姿は上空の点にしかなく、地面を探しても見つかりません。田んぼと河川敷の草地では、春の間ずっと続きます。
聞きなし
春の上空で「ピーチュルピーチュル」などと複雑な声で長くさえずる、と日本野鳥の会は記しています。一節の区切りがはっきりせず、ひたすら続くのが型で、文句を当てはめようとしても収まりません。飛び立つときの声は「ビュルッ」の一言で、長く続く空の声と、地上から出る一言は別物として覚えます。「揚げ雲雀」は春の季語で、ヒバリが舞い上がって鳴く姿そのものを指します。
さえずりか地鳴きか
空から降ってくるほうがさえずりです。止まって鳴くのではなく、舞い上がってから降りるまで鳴き続ける飛びながらのさえずりで、姿勢そのものが型になっています。ヒバリは地上や電線でも短く鳴きますが、あの長い節が出るのは空の上だけです。飛び立ちの「ビュルッ」は地鳴きで、声が空の一点にとどまり続けるならさえずりと見ます。
いつ・どこから聞こえるか
春が中心で、田んぼと用水路や河川敷の草地の上空から届きます。日の高い時間帯でも鳴き続け、風のある日にも上がります。秋から冬は鳴かずに草地を歩いていることが多く、声で探せるのは春から初夏までです。巣は地面の草の間にあるため、声のする真下は、歩く場所ではありません。あぜ道や堤防の道から見上げるだけで、声の主は空に見つかります。
似た声との違い
セッカも飛びながら鳴きますが、上りは「ヒッヒッヒッ」、下りは「ジャッジャッ」と二つに割れ、一続きにはなりません。上がって下りるまでが短く、同じ草地で聞いても空にとどまる時間がまるで違います。飛んでいるヒヨドリのヒヨドリのピーヨは数回で切れます。切れ目なく長いのがこの声で、途切れる声なら別の鳥だと考えて構いません。
この声で何をしているか
雄が縄張りを空から示す声です。姿の見えない高さで長く鳴き続けること自体が、その草地を持っているという宣言になります。地上に降りるときは巣から離れた場所に降りて歩くことが知られており、降りた地点を追っても巣にはたどり着きません。草地に入って探すのは、親を巣から離れさせるだけになります。