ハシボソガラス
街と住宅地
いつ日本にいるか: 一年中いる(留鳥)
鳴くたびに、体が前へ倒れます。額が平らで嘴が細いことと、このお辞儀のような動きが、街にいる二種のカラスを分けます。
まずここを見る
鳴くときに体を前へ倒す動きが、いちばん見つけやすい一点です。頭を下げて尾を上げ、体ごと押し出すように「ガー」と出します。止まった姿では嘴の付け根から額までがなだらかな線で、横顔に段差が出ません。嘴も細くまっすぐで、先だけがわずかに曲がる形です。喉の羽が膨らまないため、輪郭はすっきり見えます。遠くて頭の形が分からないときは、鳴く瞬間を待ちます。
大きさとかたち
全長50cm前後、体重は500g前後です(全国鳥類繁殖分布調査 2016-2021 の種別ページ)。ハシブトガラスより全長で数cm、体重で100gほど小さいのですが、単独でいると比べる相手がいないので、大きさから決めるのは向きません。全身は黒く、光沢の青みが弱く、くすんで見えます。翼は幅広で、地上では足を交互に出して歩きます。跳ねるより歩くほうが多い鳥です。
いつ・どこで会えるか
河川敷や農地、住宅地と畑が混じる開けた場所を好み、市街地の中心より地面が見えている場所で多く見られます。全国鳥類繁殖分布調査(2016-2021)では、記録された総個体数が10,060羽から8,012羽へ減りました。カラスが増えたと感じるのは、目につく場所に集まるためで、数の増減とは別の話です。田起こしの季節には、耕された土の上を歩き回ります。歩く場所は河川敷のヨシ原と草地と重なります。
こえ
「ガーガー」と濁った声で鳴きます。のどに引っかかるようなざらつきがあり、ハシブトガラスの澄んだ「カア」と並べると差がはっきりします。一度鳴き始めると、続けて何度も出します。開けた農地では遠くまで届き、姿が点にしか見えない距離でも聞き取れます。鳴くたびに体が前へ倒れるので、声と動きを合わせれば、姿が小さくても種は決まります。澄んだ声のほうはハシブトガラスのカアにまとめました。
そっくりな鳥との違い
街の二種にミヤマガラスを足した三種は、嘴と額で分かれます。ハシブトは太い嘴と、段差のある額。ハシボソは細い嘴と、平らな額。ミヤマガラスは嘴の付け根が白っぽく、先が尖って見えます。三種を並べて見られるのは冬の農地で、色はどれも黒いため手がかりになりません。ミヤマガラスは冬に群れで来る鳥なので、季節と場所も添えて考えます。二種の並べ方はハシブトガラスとハシボソガラスです。