生物ろ材
水を回す部品
硝化菌に、住む場所を用意する材です。表面積の大きい多孔質の粒やリングを水の通り道に置き、洗いすぎれば菌ごと流れます。
何のためのものか
生物ろ過の担い手である硝化菌に、住みつく面を用意する材です。溶けた窒素は網でこせないので、面積を増やして菌に処理させます。菌は水中を漂うのではなく面に膜を作って着くため、面積がそのまま処理の量になります。FAO 2014 は、培地を敷いた床はそれ自体が生物ろ材として働くため、別のろ材は要らないとしています。
選ぶときに見るところ
体積あたりの表面積で見ます。FAO 2014 は成形プラスチックのろ材を500〜700 m²/m³とし、火山礫のおよそ2倍で、ボトルキャップより大きいと並べています。容器は魚槽の6分の1以上。餌が1日200 gなら砂利で300 Lという目安もあり、細かすぎる材は詰まるので隙間との釣り合いで選びます。
使いかたと手入れ
飼育水ですすぎ、水道水では洗いません。FAO 2014 は塩素とクロラミンが魚にも植物にも菌にも毒で、抜けるのに48時間以上かかると書いています。一度に全部を替えず、半分ずつにします。底に曝気を入れて酸素を切らさず、詰まりは軽くほぐす程度にとどめます。膜が着くまでには時間がかかるので、慌てて洗い直しません。
無いとどうなるか
アンモニアと亜硝酸を変える場所が足りず、餌の量に処理が追いつきません。立ち上げは長引き、立ち上げから数字が動かないまま、アンモニアが下がらない、亜硝酸が跳ね上がったが続きます。亜硝酸は低い濃度でも魚に害が出るので、餌を減らして時間を稼ぎます。床に培地を敷いた系では、その培地がろ材の役目を兼ねています。
解説動画: 【アクアリウムの命】水槽用ろ過材の交換・洗浄のタイミングの見分け方!放置したときのトラブルも解説します!/トロピカチャンネル
三つのろ過に分ける: 動画はろ過を物理・生物・化学の三つに分け、いちばん大事なのは生物ろ過だと述べます。食べ残しや排せつ物から生じたアンモニアを、菌の働きでより害の小さい硝酸態窒素(NO₃-N)へ変えていく働きです。その菌はろ材の中に住みつくので、小さな穴がたくさん開いた多孔質の材を使うのがよいと説明します。
目詰まりが招くもの: 汚れたまま使い続けると目詰まりして流量が落ち、水の流れが悪いよどみができると述べます。そこには食べ残しがたまり、溶存酸素(DO)が下がって菌の働きが鈍る。ろ材の中の菌にも酸素が届かなくなり、有害な物質の分解が滞って水そのものが悪くなる、という順で説明されます。
替えどきの見分け: 交換の目安は二つ挙がります。割れや欠けで形が崩れてきたときは、破片が水に混じり目詰まりの元にもなるので替える。もう一つはpHを保つ働きの弱まったときで、試験紙や試薬で数字を見て確かめます。崩れやすい材で3年ほどが目安だが、製品や使う環境でも変わるので、目で見て触って総合で決めるようにと断りを置きます。
洗うのは飼育水で: 洗う間隔は2週間から3か月に1回で、水を汚しやすい魚ほど短くなると述べます。そのうえで水道水では洗わない。水道水に含まれる残留塩素で菌が死ぬからで、飼育水に浸けてふり洗いすれば汚れは落ちると繰り返します。水槽の引っ越しや大掃除では、飼育水ごとバケツに移して空気を送ります。
落としすぎない: 動画は、汚れを落とすことと菌を残すことを同時にやるのが手入れだと結びます。放っておけば流れが止まり、洗いすぎれば生物ろ過の担い手ごと流してしまう。菌は酸欠や乾燥にも弱いと付け加えます。崩れを目で見て触って確かめ、飼育水で軽く落とすという加減が、この材との付き合いかたになります。