ニホンウナギ
温水性の魚
水温帯: 温水(20〜30℃)
飼うこと自体は止められていませんが、線が何本も引かれています。稚魚を採ることは許可なしにはできず、業として養殖するには農林水産大臣の許可が要ります。
どんな魚か
細長い体で、シラスウナギは全長50〜60mm、黄ウナギは約80mm〜30cm、下る個体は約45cm以上になります(水産庁)。夜に動き、昼は隠れ家に入ります。わずかな隙間から出て、水面の外を移動します。塩ビ管の隠れ家と、隙間のない蓋を先に用意します。同じ大きさでそろえても、育ちの差はかなり開きます。
水温とpHの範囲
FAO 2014 がアクアポニックス向けにまとめた7種にウナギは入っておらず、この飼い方での水温とpHの参照値は見当たりません。同じ資料は温水性の魚を22〜32℃、系の折り合いをpH6〜7としています。河川や河口で5〜15年かけて育つ魚で(水産庁)、短い期間で仕上げる前提の表とは時間の尺度が違います。
餌と成長
夜に動く肉食魚で、暗くなってから沈む餌を与えます。昼に浮く餌を撒いても届かず、残れば総アンモニア態窒素(TAN)に変わります。FAO 2014 の体重100g超で1日に体重の1%を入口に、翌朝の残り方で次の量を決めます。育ちの差が大きいので、同じ量を配っても行き渡りません。夜のうちに食べきる量まで落とすのが、水を保つ側の答えになります。
組み合わせやすい作物
隠れ家と蓋で水面がふさがるので、床は別に置いて水を回します。クレソンやミント、水菜は薄い養分でも伸びる株です。葉物で40〜50g/m²という餌と床の比を使い(FAO 2014)、密度を上げずに数を絞るぶん、床のほうも小さく取ります。暗さを保つ蓋と、光の要る床を分けて置くのが、この魚での組み方になります。
法と入手のこと
川にも池にも放流しない。シラスウナギ(体長約6cm・重さ約0.2g)は漁業法の特定水産動植物で、令和5年12月から知事の許可漁業になりました。業として養ううなぎ養殖業は内水面漁業振興法にもとづく農林水産大臣の指定養殖業です(水産庁)。移殖は水産資源保護法にもとづく内水面漁業調整規則の対象で、長く生きる魚なので引き取り先を決めてから迎えます。
解説動画: ウナギはどうして生態が不明なのか/いきもの部『生物の雑学をゆっくり解説』
謎が多いままの魚: 動画は、ウナギがウナギ科ウナギ属の魚で世界に29種いると押さえたうえで、日本人になじみ深いのに生態は驚くほど分かっていないと切り出します。名前は似ていても電気ウナギはウナギ科ではない別の魚で、長いというくらいしか共通の特徴が挙がらない。分からなさそのものが前提になる魚だと述べます。
産卵場は太平洋: 日本の研究チームが2006年ごろから本腰を入れて調べ、産卵場は日本から2000km以上離れたマリアナ海域だと分かったと動画は話します。ただしなぜそこまで戻るのかは不明のままです。孵化した子は太平洋を回遊して東アジアへ来て、川で5〜10年過ごしてからまた海へ下る、という流れで語られます。
卵から柳の葉へ: 卵は直径1.6mmほどで、産卵から数時間で孵化が始まると紹介されます。かえった子はレプトセファルスと呼ばれる透明な姿で、大きさは1〜6cm、柳の葉に似ていて自力では泳げず漂って育ちます。泳げる段階になるとシラスウナギと呼ばれ、新月の夜に浅い場所へ浮上すると考えられていると述べます。
稚魚が採れない: 動画は、シラスウナギの漁が1970年代から減り続けていると数字で示します。多い頃の200トンほどに対し、2013年は5トン余り。同じ2013年に環境省、翌年には国際的なレッドリストで絶滅のおそれのある種に挙げられました。ほかに理由は無いだろうと、人が採り続けたことに置いています。
人の手で回るか: いまの養殖は天然のシラスウナギを捕って育てる形が主流で、水産総合研究センターが完全養殖に成功し、2019年には育てたシラスウナギを民間に委ねて成体にした例があると挙げます。ただ設備や餌の負担が重く、雌が生まれない課題が残ります。生態が分からないことが、飼う側の見通しにもそのまま効いてくると結びます。