コイ・ニシキゴイ

温水性の魚

水温帯: 広い

ニシキゴイとマゴイは同じ種で、育つ大きさも同じです。4〜30℃と水温の幅は広く、越冬もできますが、60cmを超えて何年も生きます。

どんな魚か

体長60cm、まれに100cmを超える大きさになり(国立環境研究所)、野外では40kgに達した記録もあります(FAO 2014)。底の砂泥をあさる雑食で、貝やユスリカの幼虫を探して口を突っ込みます。培地や沈殿物を掘り返して水を濁らせます。ニシキゴイは同じ種の色変わりで、大きさも寿命も変わりません。飼い始めるより先に、水量と濾過の余裕が要る魚です。

水温とpHの範囲

FAO 2014 の表は生存4〜34℃・最適25〜30℃、溶存酸素4mg/L以上を挙げ、12℃を下回ると成長が大きく落ちると書いています。同じ表の成長は600gまで9〜11か月。pHの耐性は多くの飼育魚と同じ6.0〜8.5とされ、この系の折り合いである6.5〜7.0の中で無理なく飼えます。pHを魚に合わせて動かす場面はほとんどありません。

餌と成長

底生動物を中心とする雑食で、貝やユスリカの幼虫を食べます(国立環境研究所)。配合飼料は粗タンパク30〜38%が目安です(FAO 2014)。1日に体重の1%ほどから始め、水温が下がる時期は減らします。よく食べる魚なので、総アンモニア態窒素(TAN)の上がり方を見て量を決めます。大きくなるほど1匹あたりの餌も増えます。

組み合わせやすい作物

水温の幅が広いぶん、季節で組む相手を変えられます。涼しい時期はリーフレタスや小松菜、暑い時期はバジルに切り替える組み方ができます。掘り返しで濁った水は、沈殿槽で受けてから床へ送ります。餌の量に対する床の広さは、葉物で40〜50g/m²という比が目安になります(FAO 2014)。

法と入手のこと

池にも川にも放流しない。コイヘルペスウイルス病が持続的養殖生産確保法の特定疾病で、発生したときは知事への届出が義務づけられ、知事は移動の制限や禁止を命じることができます(農林水産省)。地域によってはコイの持ち出しや放流が制限されています。移殖は水産資源保護法にもとづく都道府県の内水面漁業調整規則の対象です。入手は錦鯉業者と観賞魚店で、引き取り先も同じ先に相談します。

解説動画: 【ゆっくり解説】ヤバすぎる繁殖力…「鯉」とは何者なのか?を解説/コイは日本固有種?外来種?寿命は最長200年⁉海外でも大暴れ⁉/ゆっくり生物チャンネル【ゆっくり解説】

どこにでもいる魚: 動画はすみかから入ります。世界の温暖な地域の淡水に広くいる魚で、海水の混じる水域では暮らせない。清流の魚という印象は逆で、汚れた水にも強く、濁りは鳥などの外敵から身を隠す場にもなると言います。好むのは水温15℃以上で、富栄養化の進んでいない酸素の多い水だとしています。

胃を持たない雑食: 食べ方の話に移ります。水生昆虫やエビ、植物プランクトンや水草まで口にする雑食で、いる場所によって食べる中身が変わる。特徴は胃を持たないことで、食べたものを溜めておく器官がありません。腸で消化されて次々に出ていくため、一日じゅう口を動かし続ける魚になる、と動画は説明します。

卵の数と大きさ: 繁殖は気温18℃を超えると期に入り、日本では春から夏に多い。1匹が一度に10万〜60万個の卵を岸辺の水草に産みます。育つのはごく一部ですが、卵を食べる相手が少ない水域では大半が生き残る。体は60〜100cmまで伸びるので、増えすぎた水域では水草も底の生き物も食べ尽くされると言います。

寿命と年齢の読み方: 寿命は短くても10年、長い個体で30年ほど。水槽より池のほうが長く生きやすいとし、うろこにある木の年輪のような模様を数えれば年齢をおおよそ読めると述べます。226歳と判定された記録がギネスに残るものの、40年前の測定で疑う声も多いと、確かめようのない数字として置いています。

放すという問題: 終わりは扱い方です。日本の約2000万年前の地層から化石が出たので在来だが、明治期からの大規模な放流で外から来た系統も各地にいる、と整理します。無計画に川へ放せば、その水域の生き物は数年で崩れかねないと結ぶところが、この本がフナと同じ線を引いている理由と重なります。