系から出ていく窒素

窒素のめぐり

入った窒素は、魚の体・収穫・汚泥・気体に分かれて出ていきます。どこにも向かわないぶんが硝酸として水に残るので、溜まり方は収支で読めます。

何が何に変わるか

餌で入った窒素は、魚の体・収穫した株・抜いた汚泥・大気へ逃げる気体に分かれて出ます。どれにも向かわなかったぶんが硝酸として水に残るので、溜まり方は差し引きで読めます。トマトとチンゲンサイで比べた実験では、株に取り込まれた割合が41.3%と34.4%で、同じ設計でも作物が違えば出口の太さが変わりました(Hu ら 2015)。

どこで起きているか

出口は装置の別々の場所にあります。魚の体は系の中に留まり、収穫はメディアベッドやDWC(浮き床の水耕)から外へ、汚泥は沈殿槽の掃除で外へ出ます。気体は無酸素の場所から抜けます。汚泥は餌由来の養分の最大40%を抱えるという見積もりがあります(Yogev ら 2016、Eck ら 2019 が引用)。

速さを決めるもの

出ていく速さは収穫の頻度・汚泥を抜く間隔・無酸素の場所の広さで変わります。同じ実験では窒素投入の1.5〜1.9%が一酸化二窒素として大気へ出ていました(Hu ら 2015)。ただしこれは1本の研究の、その魚とその作物とその期間の値です。規模・魚種・給餌率が違えば数字は動くので、一般則としては使えません。

止まるとどうなるか

出口が細ると硝酸が増え続けます。数字では硝酸態窒素(NO₃-N)とEC(電気伝導度)が並んで上がり、ECが上がり続けるが入口になります。まとめた資料は脱窒で窒素の25〜60%が失われうるとも書いており(Eck ら 2019 が引く Hu ら 2015 と Zou ら 2016)、出口は塞いでも開けすぎても偏ります。

解説動画: Nitrogen Removal Basics/Steven Myers

窒素の形を分ける: 動画は下水処理の側から窒素を追います。水の中の窒素はアンモニア性・亜硝酸性・硝酸性と、菌の体や溶けた化合物としての有機性窒素に分けられ、その合計が全窒素。有機性窒素とアンモニアの和をTKN(全ケルダール窒素)と呼ぶと整理し、有機性窒素の一部は生物処理では取れないとも述べます。

尿素から硝酸まで: 尿素のような有機性窒素は水中ですぐ加水分解してアンモニアになる——ここに菌は要らない、と言います。pH6〜9の水ではほとんどがアンモニウムイオンの側にいる。そこから独立栄養の硝化菌が亜硝酸、硝酸へと変え、アンモニア2 mg/L未満・亜硝酸0.5 mg/L未満が硝化の回っている目安に挙がります。

酸素の要りよう: 硝化は酸素を大量に使う反応だと強調します。BODを1ポンド減らすのに要る酸素が1.2ポンドなのに対し、アンモニア1ポンドを硝酸まで酸化するには4.6ポンドが要る(硝化に要る酸素)。硝化菌は増えるのが遅く、水温が低いほど、酸素が薄いほど働きは鈍り、まったく無ければ止まると述べます。

気体になって出る: 硝酸のままでは窒素はまだ系の中にいる、というのがこの動画の要点です。出口は酸素が尽きた場所——溶存酸素が無く硝酸だけがある場所で、そこでは従属栄養の菌が硝酸から酸素を剥がして窒素ガスにする。ガスは泡になって大気へ抜けます。菌の餌になる有機物が要る点も添えます。

出口が細るとき: 最後は不調の読み方です。曝気しすぎると無酸素の場所ができず、硝酸が出口を失って増える。逆に入ってくる有機物が少なすぎても脱窒は進みません。沈殿池の底で起きた場合は、窒素の泡で汚泥が浮き上がってしまう。どこでどれだけ気体に変えたかが、残る硝酸の量を決めるという話です。