アンモニアから亜硝酸へ
窒素のめぐり
硝化の一段目で、アンモニアは亜硝酸に変わります。酸素を使う反応なので、酸素とpHと水温が下がると、変わりきらないアンモニアが水に残ります。
何が何に変わるか
アンモニウムイオンとアンモニアが、酸素と結びついて亜硝酸に変わります。担い手はアンモニア酸化細菌で、この酸化から得たエネルギーで生きています(Somerville ら 2014)。酸素を使う反応なので、酸素が無ければ進みません。出た亜硝酸は次の亜硝酸から硝酸へへ渡り、同時に水素イオンも出ます(硝化が出す酸)。
どこで起きているか
水の中を漂うのではなく、硬い面に張りついた生物膜の中で進みます。生物ろ材の表面、培地の粒、根、槽の壁が場所になります。FAO の手引きは火山礫で1m³あたり約300m²、プラスチック製ろ材で約600m²の表面積を挙げています(Somerville ら 2014)。菌は光に弱く、直射日光は避けます。
速さを決めるもの
水温17〜34℃で働きがよく、17℃を下回るほど鈍ります。pHは6〜8.5の幅で働き、アンモニア酸化側は7.2〜7.8を好みます。溶存酸素が2mg/Lを割ると硝化は鈍ります(Somerville ら 2014)。pHが6を切ると働きはほぼ止まります(Sallenave 2026)。条件が中途半端なら、表面積を広げて量でおぎなえます。
止まるとどうなるか
止まると変わりきらないアンモニアが水に残ります。数字では総アンモニア態窒素(TAN)が下がらなくなり、非イオン性アンモニア(NH₃)の側はpHと水温しだいで動きます。判定図鑑のアンモニアが下がらないが入口です。餌を減らして入りを細め、酸素と表面積とpHの側を順にたどります。立ち上げの途中なら、この段がまだ育っていないだけのこともあります。
解説動画: THE AQUARIUM NITROGEN CYCLE/Aquarium Co-Op
一段目は別の菌: 動画は色分けした菓子を三つの器に取り分け、アンモニア・亜硝酸・硝酸を目に見える形にします。一段目と二段目はそれぞれ別の菌が担うと分け、まずアンモニアを食べる菌が要ると述べます。魚が出したアンモニアはえらを傷めるほど毒が強いので、ここが最初の関門だと位置づけます。
亜硝酸は半分の毒: 亜硝酸の毒はアンモニアのおよそ半分で、硝酸よりは強いという置き方をします。立ち上げでは一段目だけが先に働くので、器の中に亜硝酸がたまって見える時期ができる。二段目の菌がそろって初めて硝酸まで進み、そこから先は水替えか植物が吸う窒素で抜くしかないと述べます。アンモニアと亜硝酸は字面が似ていて取り違えやすいとも注意します。
菌はどこにいる: 菌はろ過装置の中だけでなく、砂利・ガラス面・石や流木にも付いていると動画は言います。装置をひとつ外しても、そこが受けていたぶんは残った面へ振り分けられて回り続ける。空いている面から先に菌が入るという見せ方で、装置の大小ではなく面の広さの合計が、受けられる量を決めていると説明します。
立ち上がりは量: 「立ち上がった/いない」の二択で考えるのをやめ、菌の量として数えるよう勧めます。使い込んだ材を別の水槽へ移しても運べるのは元の一部で、9匹ぶんの面から3分の1を取れば3匹ぶんという言い方をします。移した先が一気に仕上がるわけではないが、菌は日ごとに倍にもなるので、そこから増える側だと述べます。
面が受け皿になる: 器の大きさを装置の量になぞらえ、余分に増やしても使わなければ空のままだと結びます。足りなくなるのが怖くて重ねがちだが、要るのは餌の量に見合う面のほうで、そこが足りなければ一段目が追いつかずアンモニアが残ります。水を替えるときにはガラス面の菌も一緒に落としていると付け足し、菌は装置の中だけの話ではないと重ねます。