硝化が出す酸

窒素のめぐり

硝化は酸を出し、水のアルカリ度を削ります。補わないままだとpHが下がり続け、やがて硝化そのものが鈍ります。

何が何に変わるか

硝化はアンモニアを硝酸に変えるだけでなく、水素イオンを一緒に出します。硝酸ができるのと同時に酸ができる形で、水のアルカリ度(KH)が削られます。反応式の上ではアンモニア態窒素1gにつき酸素4.57g、炭酸カルシウム換算のアルカリ度7.14gが消え、硝酸イオン4.43g(窒素としては1g)ができるという量論になります(硝化に要る酸素)。

どこで起きているか

酸が出るのは硝化が進んでいる場所そのもの——生物ろ材や培地に張った生物膜のまわりです。受け止めるのは水に溶けた炭酸と重炭酸で、水素イオンを抱き込んでpHの動きを鈍らせます(Somerville ら 2014)。補給水のアルカリ度が低い地域では、この受け皿が最初から薄い状態で始まります。

速さを決めるもの

削られる速さは1日の給餌量でほぼ決まります。入る窒素が増えれば硝化の量が増え、消えるアルカリ度もそのぶん増えます。目安はFAO の手引きが60〜140mg/L、NMSU の資料が100mg/L以上です(Somerville ら 2014、Sallenave 2026)。脱窒が進む系では、削られたぶんの一部が戻ります。

止まるとどうなるか

受け皿が尽きるとpHが毎日下がり続けます。そしてpHが6を切ると硝化そのものが鈍るので、酸を出す働きが自分にブレーキをかける形になります(Sallenave 2026)。数字ではアルカリ度(KH)が先に落ち、pHが後から追います。判定図鑑ではKHがゼロに近いとpHが毎日下がるが入口です。