りょうけん座
春の星座
見え方: 空が暗ければ肉眼で
肉眼で結べる星は二つしかありません。北斗七星の柄の下という位置でしか示せない星座で、見どころは形ではなく、その中にあります。
形のたどりかた
結ぶ線を持たない星座です。柄の三つ星の南側の空白へ目を移します。北斗七星の柄の下、うしかい座のアークトゥルスとの間に、2.9等と4.2等の二つの星だけがぽつりと並びます。二つの間隔は約6度で、猟犬の首輪と胴にあたります。星座としての面積は決して狭くないのですが、市街地では明るい側だけが残り、形と呼べるものは組み立てられません。北斗の柄で位置だけを押さえ、あとは中にある天体をさがすことになります。
目じるしになる星
起点はコル・カロリ(α星、約2.9等)です。周りに明るい星がないので、北斗の柄の下でひとつだけ光る星として拾えます。名は「カールの心臓」の意味で、17世紀のイングランド王にちなむと伝えられます。もう一方のカラ(β星)は4.2等と暗く、郊外の空でようやく相方として見えてきます。そらし目を使うと、この4等台の側が浮かびます。二つの間には目じるしになる星がなく、コル・カロリからの距離と方角で見当をつけます。
見ごろの時期と南中高度
国立天文台の位置の目安では、東京で20時に中心が南中するのは6月上旬です。コル・カロリの赤緯はおよそ北緯38度と高く、東京での南中高度は約87度で、ほとんど天頂を通ります。大気を通る距離が短く、暗い星が残りやすい位置です。北緯52度より北では地平線に沈まない星でもあり、日本では春の宵に真上、夜半すぎに北西へ傾いていきます。天頂に近い対象は首を反らせて見ることになるので、寝ころべる場所があると探しやすくなります。
どこまで見えるか(緯度と空の明るさ)
郊外以上の暗さが要ります。コル・カロリの2.9等は市街地でも残りますが、4.2等のカラは限界等級4等台の空で消え、一点だけが宙に浮きます。天頂近くを通るぶん低空の光害の層を通らずにすむのは有利で、同じ等級でも南の低い空にある星より見つけやすくなります。日本の緯度ならどこからでも高く上がるので、効くのは空の暗さだけです。星が二つしかないぶん、空の暗さがそのまま星座の見え方に直結します。
この中にある見どころ
双眼鏡ではっきり分かる球状星団がM3です。6.2等・視直径18分角あり、丸くにじんだしみとして確かに捉えられます(りょうけん座M3)。対して子持ち銀河は8.4等と数字の上では近いのに、双眼鏡でも渦は出ません。光が広い面に散っているためで、表面輝度が違うという差が、この二つを並べるとよく分かります。M3は星座の南西、うしかい座との境に近い位置にあります。