初期費用だけを取る詐欺

稼げる話の入口

働く前の支払いだけを取って消える

どんな手口?

仕事を紹介すると持ちかけ、登録料や保証金、数千円から数万円の教材費を先に振り込ませて、そのまま連絡が途絶える手口です。一件あたりの金額が小さいのが特徴で、被害者が「この程度なら」とあきらめることまで織り込まれています。同じ相手が名前を変えて何度も募集を出すため、募集の新しさは安心の材料になりません。

見分け方のサイン

募集の文面に所在地も担当者名もなく、振込先が個人名義。開始前に「先に登録料を」と急がせる。仕事の中身に対して条件だけが良すぎる。振込の期限が数時間と短い。案件サイトの外へ連絡を移そうとする点は、場外への直接取引の誘導とも重なります。会社名を調べても実体が出てこないことも少なくありません。

こうなったらどうするか

働く前にお金を払う話は、いったん全部保留にします。振り込む前なら止められるので、迷った時点で相談してください。払ってしまったら、振込明細とやり取りをそろえて金融機関に口座の凍結を申し出る方法があります。取り返すと言って近づく業者は二次被害のもとなので、公的な窓口から順に当たってください。

相談先

振り込め詐欺救済法にもとづく手続きは、振込先の金融機関と警察に届け出るところから始まります。最寄りの窓口は警察相談専用電話#9110で案内してもらえます。契約の性質や返金の見込みについては、消費者ホットライン188や法テラスでも相談できます。全額が戻る保証はありませんが、早いほど残高が残ります。

解説動画: 投資詐欺にあった際のお金の取り戻し方を解説/和田哲幸のビジネス相談所

振り込みなら救済法が使える: 振り込め詐欺救済法は、被害者へ分配金を支払う手続きなどを定めた法律。振り込め詐欺だけでなく、詐欺やほかの人の財産を害する罪にも適用される。ただし指定された口座に振り込んだことが条件で、現金を手渡しで渡したものは対象にならない。

手続きの流れと期間: まず警察へ被害届を出し、次に金融機関へ被害申告して口座を凍結する。そのうえで公告をすると、犯罪に使われた口座が預金保険機構のサイトで公開され、ほかに被害者がいないか確認できる。掲載は通常60日、分配金の受け取り申請まで終えて支払いまでは90日以上かかるとされる。

戻る額は口座残高しだい: 返ってくるのは口座に残っている額まで。犯人が1人で振り込まれた総額が残っていれば全額回収できるが、残高が被害額より少なければそこで頭打ち。被害者が複数なら振り込んだ金額に応じて按分される。残高がごくわずかな口座は法令上の支払い手続きの対象から外れる。

慰謝料は当てにしない: 詐欺の民事の慰謝料は10万〜20万円程度と言われ、額の小ささから訴えをやめる人もいるという。それでも動く意味はある——立件して逮捕まで持っていければ周辺の詐欺師への牽制になり、その動きを封じられる、という立場で説明している。

相談先と最後の現実: 手続きを1人で進めるのは大変なので、まずは全国銀行協会の相談室や各地域の銀行協会が運営する銀行取引相談所に相談するとよい。ただし法的に取り返せることになっても、相手にお金が残っていなければ回収できない。うまい話に安易に飛びつかないのが結局は効く。