なりすまし広告

稼げる話の入口

有名人や企業の名をかたるネット広告

どんな手口?

有名人や大手企業、公的機関の名前と写真を無断で使い、本人が勧めているように見せる広告です。実際にはSNSの広告枠や検索結果に出稿されているだけで、本人はまったく関与していません。押した先は投資の勧誘や情報商材の販売で、通話アプリのグループへ誘導されます。名前を使われた側も被害者という構図です。

見分け方のサイン

顔写真つきなのに発言の出典が示されない、記事のような見た目なのに媒体名がない、アドレスが本家と一文字だけ違う。会社の所在地や登録番号を自分で確認できない。「本人が特別に指導」という説明も、数分で締め切るカウントダウンも、多くは作り物です。広告の報告機能から出稿者を見るのも手がかりになります。

こうなったらどうするか

広告からではなく、正式なサイトを自分で検索してたどり直します。すでに登録したなら、グループを退出して個人情報の入力をやめます。各サービスには広告を報告する機能があるので通報してください。入金の前なら被害はほぼ止まります。送金した後は、すぐ金融機関に連絡するのが最優先になります。

相談先

投資の勧誘だった場合は、金融サービス利用者相談室など金融庁の相談窓口が該当します。広告の内容や契約そのものについては消費者ホットライン188へ。送金した、口座を教えたという段階なら警察相談専用電話#9110から最寄りの警察につないでもらえます。通報が早いほど、同じ広告の停止にもつながります。

解説動画: 【SNS投資詐欺】“偽ホリエモン”に1900万円騙し取られた男性も…「有名人かたる投資詐欺」急増 フェイク音声や偽造免許証を使った、その巧妙な手口とは【news23まとめ】/TBS NEWS DIG Powered by JNN

広告からグループへ運ばれる: 有名人の名前と写真を無断で使った投資広告が、検索結果にもSNSにも並ぶ。押した先でメッセージアプリに登録させられ、本人だと名乗るアカウントから70人以上のグループへ通される。そこにはアシスタントを名乗る人物がいて、推奨銘柄や資金配分が毎日流れ、参加者の儲かった報告が続く。取材班が実際にたどった経路である。

少額だけ出金できる: 後遺症で働きにくくなった男性は、実業家を名乗る相手から金の取引サイトへ導かれた。画面の残高は増え、10万円は実際に引き出せた。それで信用して1000万円を入れると、今度は全部失ったと告げられ、追加を迫られて生命保険を解約し900万円。出金しようとすると、本人確認にさらに300万円が要ると言われた。

声も免許証も作られる: 参加者に届くのは本人の声に似た音声メッセージで、少し片言なのが違いだった。息子である経済アナリストは、音声だけなら父親だと思うと話す。取材班が証明を求めると呼びかけた名前を織り込んだ音声が返ってきた。証拠として送られた運転免許証も偽造で、記載された住所だけが家族に分かるほころびだった。

見破れた小さな違和感: 手がかりは細かい。グループの参加者一覧を開くと同じ有名人を名乗るアカウントが5つ並んでいた。文面には日本ではあまり見ない漢字が混じり、被害者が尋ねると、生徒への返答をそのまま送ってしまったという返事が来た。本人確認のために電話をかけても、どのアカウントも応答しない。

広告が消えない事情: これらは料金を払って掲載されている広告で、通報しても不適切ではないとして再び載ることがある。専門家は、代理店の審査を通す従来の形と違い人手を介さず自動で出稿できるため確認が甘く、厳しくすると出費が増えるので事業者は動きたがらないと指摘する。欧州には違反へ世界売上高の最大6%の制裁金を科す法がある。