青色申告と白色申告

申告のしかた

帳簿の手間と特典を、どこで釣り合わせるか

どういうもの?

所得税の申告には、事前に承認を受けて整った帳簿をつける青色と、そうでない白色の二つがあります。青色は控除や赤字の繰越しといった特典がある代わりに、記帳と保存に求められる水準が上がります。白色でも記帳と保存の義務は残るため、白色にしたから何もしなくてよい、という話ではありません。

自分に関係ある?

青色を使えるのは事業所得・不動産所得・山林所得がある人で、副業が雑所得と事業所得の分かれ目で雑所得と整理されると選べません。会社員の副業がすぐ青色になるとは限らず、規模と継続性や帳簿を続けられるかどうかから見ていくことになります。白色は承認が要らないので、何もしなければ白色という位置づけになります。

何をすればいいか

開業届と一緒に青色申告承認申請書を出し、その年の3月15日か開業から2か月以内までに手続きを済ませます。あとは複式簿記で日々の取引を記録していきます。ソフトを使えば貸借を意識せずに入力できるので、会計ソフトでの記帳も参考にしてください。帳簿は開業の月までさかのぼって整えることになるので、年の途中から青色に切り替えた人ほど最初の入力量が多いです。

つまずくところ

青色にすると記帳の負担が確実に増えます。所得が小さいうちは、控除で減る税金より手間のほうが重く感じることもあります。期限後申告が続くと取り消される場合もあるため、続けられる範囲で選ぶほうが結果的に得になります。白色から青色へ切り替えることも、翌年以降なら可能です。

確認先

青色申告制度の説明と承認申請書の様式は、国税庁のサイトや税務署の窓口で手に入ります。控除額や記帳の要件は改正で動きやすい部分なので、その年の手引きで確かめてください。判断に迷うときは、税務署の相談窓口や記帳指導の案内も利用できます。白色から切り替える年は、申請の締切がいつかも同じ手引きで確かめておいてください。

解説動画: 青色申告と白色申告どっちがいい?プロがメリット、デメリットを10分で解説/節税会計士タッキー

白色が簡単なのは事実: 白色申告は事前の申請書がいらず、お小遣い帳のような簡易簿記で足りる。出す書類も青色申告決算書ではなく収支内訳書で、貸借対照表は不要、記入項目も少ない。ただし会計士の整理では、白色の利点は「簡単」の一点に限られるという。

白色に無い節税の特典: 白色では最大65万円の特別控除が使えず、所得が増えるほど負担がそのまま増える。赤字の繰越もできないので、赤字の翌年に黒字が出ても相殺されない。10万円以上30万円未満の資産を買った年にまとめて経費にする特例も使えず、家族への給料も経費にはできない。

白色の「楽」は薄れた: 2014年1月以降は白色でも帳簿の記帳と保管が義務になり、一方で会計ソフトが普及して複式簿記の手間は下がった。白色は手間が増えたのに特典は増えていない。帳簿づけと保存の負担差が縮んだぶん、いまは青色のほうが得だ、というのが結論。

青色で増えるもの: 青色なら赤字を3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺でき、生計を共にする家族への給与も、手続きを踏めば経費にできる。自宅兼職場の家賃や通信費を仕事の分だけ経費にする家事按分はどちらでも使えるが、青色のほうが認められやすいと話していた。

控除額と事前の手続き: 青色申告特別控除は最大65万円だが、電子申告や電子帳簿保存をしない場合は最大55万円にとどまる。使うには青色申告承認申請書を管轄の税務署へ事前に出す必要があり、出していないと申告時に青色が認められない。期限は3月15日で、年が明けたら早めに着手を、と勧めていた。